かぶとむし日記

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井筒和幸監督『黄金を抱いて翔べ』(公開中)


高村薫の同名小説を「パッチギ!」「ヒーローショー」の井筒和幸監督が映画化。大阪を舞台に、金塊強奪計画を企てた6人の男たちの生き様を、ミステリーとアクションを交えて描き出す。出演は「悪人」の妻夫木聡、「バトルシップ」の浅野忠信、井筒監督作品には5年ぶりの出演となった桐谷健太、今回が日本での俳優デビューとなったチャンミン(東方神起)、溝端淳平西田敏行ほか。


(「goo解説」より)


ひと癖もふた癖もある6人の男が、銀行から、240億円相当の金塊を強奪しようとする話。


役者も、妻夫木聡浅野忠信西田敏行が顔をそろえたら、おもしろい映画になるはずである。監督も、『パッチギ』や『ゲロッパ』の井筒和幸だし。



やっぱり妻夫木聡が、いい。


比較的最近の作品では、


を見ているけれど、どれもちがうタイプの人間を演じているのに、それぞれの役柄を妻夫木風に解釈していて、どの作品もおもしろい。『マイ・バック・ページ』の受け身の多い役柄もよかったし、『愛と誠』のぶっとび具合も、たのしかった。


今回妻夫木演じる幸田弘之は、凶暴で陰湿な男だが、彼がやると<悪いやつ>も魅力的になる。だんだんに感情移入してしまった。そして、彼らの無謀な銀行強盗を、応援したくなってくる。


ただ原作を読んでいないのでわからないが、この犯罪計画は、あまりにおおざっぱで、用意周到を欠いている。大きな銀行から、240億円相当の金塊を強奪する計画が、こんな安易な作戦でいいのだろうか・・・という素朴な疑問が、途中から、見終わったあとまで、消えなかった。