かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

沖田×華作『ニトロちゃん』



TBSラジオ「荻上チキ Sesion22」で、荻上チキさんが紹介していたので、読んでみる。荻上チキさんは、1981年生まれ。若い世代の評論家だけれど、ラジオを聞きながら、いつも柔軟で鋭い視点に感心してしまう。


その荻上さんが大絶賛していたマンガ作品。



発達障害の女の子<ニトロちゃん>が、小学校・中学校で、先生やクラスの生徒たちとうまく交流できず、苦労に苦労を重ねて生きる日々が描かれている。


まだ発達障害への知識が一般的でなかったとはいえ、登場する担任教師たちのニトロちゃんへの過酷な仕打ちには、読んでいて腹が立ってくる。そりゃないだろう、とおもう。



内容は、ほぼ作者の体験をベースにしているという。自殺まで考えたニトロちゃんが、いまマンガ家として成功していることが救いでもある。


筆致はさっぱりしているし、ユーモラスでもある。こういう自分を突き放した視点をもつなんて、表現者としてすごいよなあ、とおもいながら読む。