かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

湯浅学著『ボブ・ディラン ロックの精霊』(岩波新書)



ボブ・ディランはふだんも聴いているけれど、来日が決定してから、古いアルバムを出してきて、あれこれ聴き直している。


60年代の後半リアルタイムで聴きだした『ナッシュビル・スカイラン』、『セルフ・ポートレート』、『新しい夜明け』など、あの頃のディランへの熱い感情がよみがえってくる。



昨年発売された『アナザー・セルフ・ポトレート』も、この時期のアウトテイクや未発表音源を集めたもので、年をまたいで愛聴している。


これからさらに気の向くまま少しずつ聴きなおしてみるつもり。



湯浅学著『ボブ・ディラン ロックの精霊』(岩波新書)も、そんななか、もう一度ボブ・ディランを総合的に見つめなおしてみたい、とおもって読んでみた。


新書版なので若い人のための入門書的な本かとおもって読みはじめたら、これがじつにおもしろい。細かなところに著者の判断がきっちりはいっていて、読みごたえがある。入門書としての機能を果たしながら、古いファンが読んでも満足度が高い。


80年代以降、ディランのアルバムが出れば聴いていたが、情報が少なくて、ディランの行動や思考の変遷について知らないことも多かった。そこをだいぶ埋めてもらえた気がする。