3月18日、娘が川越の病院で双子の女の子を産んだ。娘の夫、夫の両親、母(わたしの妻)は、病院に詰めて双子の誕生を待ったが、わたしは病院には行かず、ふだん通り仕事に出た。
妻から無事出産のメールが届いたが、そのあと娘は、なかなか病室から出てこなかったらしい。病室から看護婦がバタバタ出たり入ったりしているので、妻は不安になったらしいが、そういう心配ごとは、わたしへのメールには書いてこなかった。
ただ「R(娘の名前)に会えた?」とメールすると、「まだ。いま待っている」という簡単な返事がきた。
娘は、はじめ部分麻酔の予定だったが、出欠多量で、全身麻酔になり、輸血をした。わたしは、意気地がないので、病院に立ち会ったらどれほどうろたえたか、とおもった。
でも、とにかく娘は、2014年3月18日、双子の姉妹を産んだ。
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その週の土曜日、妻といっしょに病院へ娘を見舞った。娘は、病室近くの休憩所のようなところにいた。顔が白くて、血の気がなかった。
赤ちゃんの妹の方は、ベビー・ベッドに寝ていて、顔にまだ管がついていた。姉の方は、基準の体重に達していないので、病室へ来ていないらしい。娘の体調が気がかりで、双子にはまだどういう感情もわかなかった。
その日、娘が疲れないように、妻とわたしは早々に引き上げた。