かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ポール・マッカートニーのコンサートを見る〜4月25日東京ドーム。


12時に御徒町駅で長男のN(34歳)と会い、ラーメン屋さんで昼飯。アメ横を上野まで歩いて、銀座線→東西線で、竹橋の東京国立美術館へいく。Nは片岡球子展、わたしは常設展をそれぞれ見る。学芸員の女性から、岸田劉生藤田嗣治などの絵の説明を受けた。


午後3時、Nといっしょに竹橋から東西線で、飯田橋下車。飯田橋駅から水道橋まで歩く。



午後4時にSさんの奥さん(以下「S奥さん」と省略)、息子さんと水道橋駅で待ち合わせている。


少し早かったので、駅近くの居酒屋で、Nと先に飲みはじめる。東京ドームでトイレが近くなるのは困るので、自制的に飲みだしたが、ライヴ前の高揚感があって、自然にお酒がすすんでしまう。


午後4時「S奥さん」から「水道橋に着きました」というメールがあったので、迎えにいく。小さなころしか会ってなかった息子のR太くんが、すっかりいい青年(30歳?)になっていた。


「S奥さん」とわたしは、ビートルズの武道館公演(1966年)の目撃者。あれから、49年が過ぎた。あのころの誰が、2015年のいまなおポールがバリバリ現役だなんて想像できただろう。


居酒屋は混んでいたが、9割方かそれ以上、これからポール・マッカートニー・コンサートを見るひとのようだ。ポールやビートルズ関連のTシャツが多いし、ビートルズ初の主演映画『ア・ハード・デイズ・ナイト』のスーツを着たふたり組もいる。昔から、ビートルズのトリュビュート・バンドで、よくこのスーツをユニフォームにしているのを見た。



午後6時15分、S奥さん、R太くんと別れ、Nと座席へ向かう。


「A16ブロックの1列目」というので、間近からポールを見れるかもしれない、と期待していたが、1列目の右端で、ポールの横顔がかろうじて見えるだけ。結局最後まで目の前の大スクリーンを見ていた。


ポールは元気で、今回も日本語をたくさん話した。英語の時は、スクリーンに日本語の同時訳が出る。この同時訳をはじめて試したのは、2002年の来日公演のとき。半ばアドリブでしゃべったみたいで、同時訳は混乱していた。今回はそういう混乱がないので、あらかじめ話すことを打ち合わせしたのだろう。


2時間40分、惜しげもなく37曲の名曲が演奏される(この日のセットリストは、いちばん最後にあげておきます)。



70年代、ポールはビートルズの曲を演奏することに神経質になっていた。それはそうだ。そのとき彼はウイングスという別なバンドのリーダーだったのだから。あくまでコンサートの中心は、ウイングスの楽曲が中心だった。


それでよかったのだが、ビートルズの後期の曲は、一度もライブ演奏されることなくバンドが解散してしまったのだから、ステージで見たい聴きたいという欲求が強いのはしかたがなかった。


それが、ビートルズが解散して約20年、ウイングスが解散して約10年・・・・・


1989年、ポールはソロでのライブ・ツアーを開始。禁断のビートルズ・ナンバーが次々にステージで演奏され、歌われる。夢のようだった。むかしを知るものは、1曲1曲に涙が出るような感動を味わった。


1990年、初来日のアンコールではじめて聴いた「ゴールデン・スランバー〜キャリ・ザ・ウェイト〜ジ・エンド」のアビーロードB面メロディーは、感極まる思いだった。


そしていま、そのビートルズ・ソングへの渇きが一段落すると、逆にもっとウイングスやソロの曲を演奏してほしい、なんておもうようになるからファン(わたしのことだけど)の要望は、限りがない(笑)。



この日、ポールの声は少し枯れている。でも、それがどうだというのだろう。大画面に映し出されるポール・マッカートニーのスタイルのかっこよさにため息。これが、72歳のおじいちゃんの姿か。


エレクトリック・ギター、アコスティック・ギター、ピアノ、オルガン、そして定番のヴァイオリン・ベースと、次々楽器を替えながら歌っていく。もったいぶらないのがこのひと。


無造作に、まったく休むことなく37曲が演奏され、てんこ盛りの2時間40分が終わる。


これが最後かもしれないが、ポールから「マタ、アイマショウ!」と日本語で挨拶されると、次も期待したくなる。


奇跡の72歳を見た! ポールはこれから何歳までやるのだろう?



ドームを出て、水道橋駅が混んでいたので、Nと飯田橋まで歩く。


2014年のローリング・ストーンズのコンサートのあと、飯田橋駅前の屋台ラーメンを食べたのを思い出す。Nに屋台ラーメンを食べるかい、と聞くと「食べる」というので、きょうお店が出ているかどうかわからないが、とりあえず屋台をめざして歩く。


駅の明かりのなかに屋台のラーメン屋さんがあった。


「ラーメン2つにビール2本ください」


Nはコンサート疲れか、少し寡黙になっている。ビールも少し残した。Nは、結婚して大宮からひとつめの登呂駅の近くに住んでいる。帰りの電車は別々だ。


飯田橋駅で別れた。



4月25日のセットリスト↓

Eight Days a Week
Save Us
All My Loving
Jet
Let Me Roll It
Paperback Writer
My Valentine
Nineteen Hundred and Eighty-Five
The Long and Winding Road
Maybe I'm Amazed
I've Just Seen a Face
We Can Work It Out
Another Day
Hope for the Future
And I Love Her
Blackbird
Here Today
New
Queenie Eye
Lady Madonna
All Together Now
Lovely Rita
Eleanor Rigby
Being for the Benefit of Mr. Kite
Something
Ob-La-Di, Ob-La-Da
Band on the Run
Back in the U.S.S.R.
Let It Be
Live and Let Die
Hey Jude

アンコール1
Day Tripper
Hi, Hi, Hi
Can't Buy Me Love

アンコール2
Yesterday
Helter Skelter
Golden Slumbers〜Carry That Weight〜The End