かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

五十嵐匠監督『十字架』を見る(2月6日)


昨晩中板橋の姉の家に泊まった妻が、朝わたしのアパートへ来る。昼、最近近くにできたステーキ屋さんでハンバーク定食を食べる。


一緒に有楽町スバル座へいき、13時45分から五十嵐匠監督、重松清原作の『十字架』を見る。


中学生がいじめで自殺。それにかかわった同級生や、自殺した少年の両親が、事件の痛みを背負って、その後をどのように生きていくか、を描いた作品。


いじめの描写は凄惨で、こんな学校生活が毎日続いたら、この少年でなくても生きていることに耐えられなくなるかもしれない、とおもわせる。いじめに気がつかない学校サイドにも怒りがわく。


いじめられた生徒は、自宅の庭で首を吊って自殺。彼は、自分がいじめられていることを両親には話していないが、クラス全員が目撃して、それを知っている。多かれ少なかれ、クラス全員が加担している、といってもいい。教師を含めて、誰もいじめを止められるひとがいない。


息子を失った両親(永瀬正敏富田靖子)、死んだ少年に「親友」とよばれた同級生(小出恵介)、少年がひそかに好きだった女子中学生(木村文乃)のその後が描かれていくが、いじめの中心にいた男子生徒たちのその後はあっさりとしか描かれていない。


小出恵介木村文乃のふたりは、いじめに加担していたというより、責められるとすれば、それを見て見ぬふりをしていた、とか、想いを寄せられた少年のことに無関心だった、ということだろうけど、そのふたりが20年後まで良心の呵責に苦しむ、というストーリーは、怒りの矛先がちがうのでは、という気がしてしまう。


それから、中学生のころから20年後まで、小出恵介木村文乃が演じるが、他の中学生のあいだにあって、さすがに小出恵介の中学生は違和感がありすぎ。子役を使ったほうがよかったのでは、とおもってしまった。


木村文乃の清楚な顔立ちが好きなので、映画全体はつまらなくなかったけれど。


『十字架』公式サイト↓
http://www.jyujika.jp



終わって、まだ腹が空いてなかったので、そのまま有楽町線で川越へ帰る。