かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

レニー・アブラハムソン監督『ルーム』を見る(4月22日)



アパートから歩いて行けるイオン板橋へ、レニー・アブラハムソン監督の『ルーム』を見にいく。


予告編で見た感じでは、母子が、7年のあいだ監禁された「部屋」を脱出するまでが見どころではないか、と単純なサスペンスを想像していた。


が、そうではなくて、映画は、解放されたその後、ふたりが心の傷と向き合う姿を描いている。はじめは外部の世界を知らない、いわゆる無菌状態の子どもの心をどう平常にもどしていくのか、に焦点があてられる。


そして、「部屋」のなかでは、子供の心身の健康ばかり案じていた母が、子どもが少しずつ新しい世界になじんでいく姿にホッとすると、こんどは逆に自分のなかに封じ込めてきた心の傷が噴出して、平常の神経を保てなくなる姿を描いていく。


7年間監禁され、その男のおもうままに「性」を提供し続け、ついに「部屋」のなかで子どもまで出産しなければならなかった母の心身の傷は、子ども以上に深いことを気づかされる。


母を演じたブリー・ラーソンも、子どもを演じたジェイコブ・トレンブレイ(この子役、どこまでが自覚的な演技なんだろう、すごい!)も、よかった。


「ルーム」公式サイト↓
http://gaga.ne.jp/room/



映画館のある5階の回転ずしで昼飯。瓶ビール、ハイボールを飲む。