かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

オーチャードホールでボブ・ディランを見る(4月25日)


待望のボブ・ディラン・コンサートの日。前回はスタンディングの観戦で疲労困憊したが、こんどはホールでじっくり見られるというので、ほんとうにたのしみだ。


少し早く渋谷へ着いたので、街のなかをぶらぶらする。といっても、お酒を飲むと先日のエリック・クラプトンのときのように、トイレが近くなって困るので我慢。


午後6時半より入場。座席は「1階15列12」。近い!。期待が高まる。


午後7時を少し過ぎてライブがはじまる。ディランは、マイクの前に立って、左手を腰に軽くあてて歌う。ディランの声はビーンとよく張っている。声の調子がいいようだ。


持参の拡大鏡で、ディランをさらにアップで見る。前回のzepp tokyoのときもそうだが、ステージの照明が暗いので、距離が近いわりには顔がよく見えない。拡大鏡が役に立つ。


セットリストは、連日固定のようだ。以下のサイトに曲目とレポートが詳しく出ているので、転用させてもらう。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/info/467451

<Act 1>
1 Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド
(『Wonder Boys"(OST)』 2001/『DYLAN THE BEST(2007)』他)
2 She Belongs to Me シー・ビロングズ・トゥ・ミー
(『ブリンギング・イット・ オール・バック・ホーム/Bringing It All Back Home』 1965)
3 Beyond Here Lies Nothin' ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
(『トゥゲザー・ スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
4 What'll I Do ホワットル・アイ・ドゥ
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
5 Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル
(『テンペスト/Tempest』 2012)
6 Melancholy Mood メランコリー・ムード
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
7 Pay in Blood ペイ・イン・ブラッド
(『テンペスト/Tempest』 2012)
8 I'm a Fool to Want You アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
9 That Old Black Magic ザット・オールド・ブラック・マジック
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
10 Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)


<20分休憩>


<Act 2>
11 High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パッ トン)
(『ラヴ・アンド・セフト/Love and Theft』2001)
12 Why Try to Change Me Now ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
13 Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
14 The Night We Called It a Day ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)
15 Spirit on the Water スピリット・オン・ザ・ウォー ター
(『モダン・タイムス/Modern Times』2006)
16 Scarlet Town スカーレット・タウン
(『テンペスト/Tempest』 2012)
17 All or Nothing at All オール・オア・ナッシング・アット・オール
(来日記念EP『メランコリー・ムード』2016)
18 Long and Wasted Years ロング・アンド・ウェイステッ ド・イヤーズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
19 Autumn Leaves 枯葉
(『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/Shadows In The Night』2015)


<アンコール>
202 Blowin' in the Wind 風に吹かれて
(『フリーホイーリン・ボ ブ・ディラン』1963)
21 Love Sick ラヴ・シック
(『タイム・アウト・オブ・ マインド/Time Out of Mind』 1997)


ボブ・ディランのように経歴が長くヒット曲も多いミュージシャンとなれば、過去のヒットソングを中心にセットリストを並べるのがふつうだし、ファンのなかでもそれを期待しているひとも少なくないだろうけど(正直、自分のなかにも、いま現在のアレンジで過去のいろいろな曲を聴いてみたい欲求もある)、ボブ・ディランに郷愁はにあわない。ボブ・ディランの代表曲として有名な「Blowin' in the Wind」も、アルバム『テンペスト』に収録されていてもおかしくないような新しいアレンジで演奏されていた。


セットリストを見てもわかるように、ほとんどが近年のアルバムから構成されている。60年代の曲は、「2」の「She Belongs to Me」と、「20」の「Blowin' in the Wind」の2曲。そして70年代からは、「Tangled Up in Blue」の1曲のみ。1997年のアルバム『Time Out of Mind』から「Love Sick」が演奏されているが、あとは2000年代以降の曲。


ディランは、ほとんどスタンド・マイクの前で立ったまま歌う。間奏にはいると、ひょこひょこステージを歩き出す。その動作がぎこちない。かっこよく、というより、ユーモラス。マイクの前のキメのポーズも、長年ヴォーカルをとっている歌手のように手慣れてないのがいい。


会場もよく、ディランも好調で、座席もいい、ベスト・コンディションのライブを堪能できた。SS席(25000円)も、これなら高くない。



帰りは、東武練馬の居酒屋「春日」でひと休み。アジのタタキを肴に、いい気分で酎ハイを飲む。お酒を飲みながら、貴田庄著『原節子 若き日々』を電子書籍で読了。日独合作映画『新しき土』の製作背景、原節子のドイツ、フランス、アメリカの旅など、興味深く読む。


原節子物語 若き日々 (朝日文庫)

原節子物語 若き日々 (朝日文庫)