かぶとむし日記

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山田火砂子監督『母〜小林多喜二の母の物語』を見る(2月25日)。



2月25日土曜日、池袋で妻と待ち合わせ、新宿の「K's cinema」で、山田火砂子監督の『母〜小林多喜二の母の物語』を見る。三浦綾子の原作を先に読んでいたので、それをどう映画化するのか、とおもったけれど、ほぼ忠実。ただ、他の細かなこと、夫のこと、叔父のこと、多喜二の姉妹のことなど、映画の時間枠のなかでは煩雑になるのか、枝葉はカットされて、母と多喜二のことに焦点をしぼっている。


文字を読めなくても、この生来の知恵者である多喜二の母は、<人を不幸にする戦争に反対するのが、貧しい人間を救いたいとおもうのが・・・なぜ悪いのか>と、多喜二の思想を心で理解する。その多喜二がなぜあんな酷い殺され方をしなければならないのか、どうしてもなっとくがいかない。


映画がおわって舞台挨拶がある、山田監督、主演の寺島しのぶ、多喜二役の塩谷瞬、多喜二の姉・松本若菜、多喜二の父・渡辺いっけい特高警察役の佐野史郎など、ステージに並んだ。


山田火砂子監督は、「多喜二はもっと怖い殺され方をしたが、若いひとに見てほしいので(表現を)抑えた」とあいさつ。「治安維持法」が「共謀罪」として、再び安倍政権によって復活しようとしているこんにち、「治安維持法」で虐殺された多喜二の事件は過去の歴史ではないぞ、という監督のメッセージが映画からも舞台挨拶からも伝わってきた。


『母〜小林多喜二の母の物語』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=0NGBcJ9aZe0



映画がおわって映画館の近くの居酒屋のランチを食べる。妻がレジで精算していたら、山田火砂子監督や多喜二を演じた塩谷瞬などが近くで食事していた。妻が「映画よかったです」と近くへいって挨拶すると山田監督は軽く頭を下げたが、塩谷瞬は、椅子から立ち上がって笑顔で頭を下げた。



新宿から五反田へ出て、都営浅草線で「西馬込駅」下車、10分ほど歩いて「池上梅園」へいく。梅はまだそれほど咲いていなかったが、はじめてなので新鮮に園内を散歩した。


池上梅園から池上本門寺まで歩き、帰りは東急池上線の「池上駅」から五反田駅へもどる。