かぶとむし日記

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藤本国彦著『ビートル・アローン』を読む。


BEATLE ALONE (ビートル・アローン)

BEATLE ALONE (ビートル・アローン)


このところビートルズ関連の本をいくつか買い込んだ。でも、判型が大きく、厚いものが多く、持ち運ぶのに適当でなく、なかなか先へ読みすすめない。その最たるものが、マーク・ルイソン著『ビートルズ史』。上下巻、それぞれ800頁もある分厚いハードカバー本で、いったいいつ読み終わるのか、先が見えない。外出するとき持ち歩くには重すぎるし、ベットで寝ながら仰向けに手で持って読んでいても、腕がくたびれてしまう。大きな本、厚すぎる本は、むかしもいまも苦手で、電子書籍化するなど、読みやすい方法を工夫してほしい。


そんな大きな本、分厚い本を保留したまま先に読んだのが、藤本国彦著『ビートル・アローン』。


ビートルズの4人のソロ活動について書いたものだけれど、解散後の4人の歩みを描いた、というのではなくて、たとえば、ソロ活動は、ポール・マッカートニーの「イエスタディ」がスタート。この曲は、はじめてバンドとしてのビートルズではなく、ポール・マッカートニーひとりで、外部演奏者を招いて録音した「ソロ活動」。


ジョン・レノンでいえば、リチャード・レスター監督『ジョン・レノン 僕の戦争』(1967年)への出演(正直、言いたいことがよくわからなかった)。ヨーコとの不可解なアルバム制作、プラスティック・オノ・バンドなどの単独ライブ。


リンゴ・スターでは、クリスチャン・マルカン監督『キャンディ』(1968年)、ジョゼフ・マクグレイス監督『マジック・クリスチャン』(1969年)への単独映画出演(2本とも、まだ見ていない)。


そして、ジョージ・ハリスンの『不思議の壁』(1968年)、『電子音楽の世界』(1969年)のソロ・アルバム制作(一度くらいしか聴かず、棚へしまったままだった)。


こんなふうに、ビートルズの4人は、まだバンドが解散する前に、少しずつ「ソロ活動」をはじめていた。


ビートルズ名義でのアルバムでも、『ビートルズ(通称:ホワイト・アルバム)』のように、4人そろって演奏しない単独、もしくは2人、3人だけ、という欠員メンバーあり、のままでレコーディングした楽曲を収録したアルバムも出てくる。


こうしたビートルズ時代の「ソロ活動」から、70年代以降〜現在までの4人の本格的ソロ活動までの足跡をとらえていく。



読みやすくおもしろかった。知っていることも知らないこともあったけれど、それがきちんと整理されているので、ビートルズについて散らかっている知識が整頓されたようなスッキリ感を読後に感じた。さらに、またひとりひとりの活動について考え、4人のソロ・アルバムを聴き直すきっかけも与えてくくれた。


読む前は、判型が手頃で持ち歩けるから、ということで購入し、あまり期待しないで読み出したが、最近読んだ国内本のなかでは、読んでよかった、とおもわせてくれる1冊だった。