- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: DVD
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きのうから喉がおかしく声が出ない。仕事を休んで、アパートでゴロゴロしている。
ひさしぶりに、成瀬巳喜男監督の『乱れる』をレンタルして、見てみた。息子が、こんど夫婦で銀山温泉へ泊まりにいく、という話をしていて、「銀山温泉へいくなら、成瀬巳喜男監督の『乱れる』を見てからいくように」と、そんな話をしたので、かえって自分の方が見たくなったのかもしれない。
この映画、はじめは池袋の文芸座で見てすっかり感心し、それからDVDでなんどか見ている。
★
町にスーパーができて、小売店の経営が成り立たなくなる・・・そんな世相を背景にして話がすすんでいく。小売店の店主に自殺者も出る。
成瀬巳喜男監督の作品は、お金の問題がおろそかにされないので、ストーリーの背景に緊迫感がある。この一種の恋愛映画も、甘ったるくないのは、世相の厳しさが、きちんと描かれているからだろう。
そして最後に登場してくる温泉街、銀山温泉。
泊まることはできなかったけれど、この銀山温泉にいったことがある。そのことは、いまでも鮮明に記憶されている。美しく切ない、ラスト・シーン。わたしの頭のなかには、銀山温泉の路上に呆然と立ちつくす高峰秀子の姿が刻まれている。