11月2日、木曜日。トーホーシネマズ新宿へ、ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』を見にいく。
上映開始まで時間があったので、映画館近くの「ルノアール」で、伊藤詩織著『Black Box』を電子書籍で読む。

- 作者: 伊藤詩織
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: Kindle版
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元TBSの記者・山口敬之氏から「準強姦」の行為を受けた経緯、その後の、レイプ被害者に対する医者・NPO・警察などの冷淡で無神経な対応への不信が語られている。よほどの決意をもって被害を訴えても、すべてが厚い壁におおわれていて、訴えた自分自身が傷ついていく。
強い意志をもった著者の行動に感心しながら読む。Youtubeで見た記者会見の著者は、悲しみをうちに秘めながらも毅然として、美しかった。不合理を容認しないでひとり権力機構に立ち向かう彼女は、わたしには眩いくらい美しくみえた。
あなたが、もしくはあなたの恋人や大切な人が、「わたし(著者)」と同じ被害にあったら?
誰にも起こりうること・・・と、問題を共有して考えれば、著者の訴えの悲しみの深さ、訴える課題の本質が、まっすぐ見えてくる。
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11時20分より、ジョーダン・ピール監督『ゲット・アウト』を見る。
黒人の青年クリスは、白人の恋人ローズの家を訪問する。最初は、ひるんでいるクリスも、ローズの<うちの家族は、そういう偏見はない>という言葉に押されて、ローズの家へいく。実際にローズの両親は、クリスを歓待してくれる。しかし、ここで働いている使用人たち(黒人)は、どこか奇妙だった・・・。
この映画は、そこからホラー要素の濃いサスペンスがはじまっていく。わたしには、その得体の知れない奇妙な怖さがおもしろかったが、その原因が明らかになるあたりから、少し興が冷めた。全体的には、おもしろかったけど。