ボブ・ディラン、Fuji Rockで来日した。でも、新潟県湯沢町までは見にいけなかった。そんな体力はないよ。
だいたい前々回、Zepp tokyo(お台場)のスタンディング・ライヴでへばってしまい、前回のオチャード・ホール(渋谷)のコンサートで、指定席ですわって見られることのありがたさに痛感したばかり。
今回、来日ついでに都内で単独コンサートがあるのではないか、と、密かに、というよりひとにもそう公言して、それに照準をあてて待っていたけれど、みごとにスルーされてしまった。
前回のライヴは、スタンダートのカバー・アルバムを出したあとなので、それを中心にしたセット・リストが組まれていたが(それはそれでいいのだけど)、その後動画サイトなどで新しいコンサートの音源や映像を検索してみると、ずいぶんやっている曲が変化しているようなので、今回、そりゃあもう見たかった。
このところFuji Rockのライヴ・レポートがネット上にでてきて、音源もポツポツ動画サイトでアップされてきた。客席の録音だから音質はもちろん十分ではないけれど、そんなぜいたくはいってられない。こういうことには、ほんとうにインターネットはありがたい。
Fuji Rockの音源の第一の印象は、あいかわらず、崩しているなあ、と笑ってしまう。ボブ・ディランのファンは十分承知していることだけれど、このひとは、毎回ツアーのたびに曲の印象を変えてくるのだ。
ディランのライヴを見るたのしみのひとつに、「おっ、こんどはそうきたか?」というような「ディランとの対話」が、ファンのひとりひとりにあるのではないか、とおもう。新作をライヴで聴く楽しみもあるけれど、むかしの慣れ親しんだ曲が新たな装いで再生されるおどろきとよろこびも、格別だ。
わたしは、ディランのニュー・アルバムが出るたびに、もしくは新しいライヴを見るたび、「おっ、こんどはそうきたか?」という、うれしいような悩ましいような「ディランとの対話」をたのしむ。悩ましいといってもワクワクするような体験なんだけど。
イントロあてクイズは、ボブ・ディランのライヴではできない。過去の有名な曲でも、イントロはほとんど原型をとどめていないから(笑)。歌詞の耳なじんだフレーズがでてきて、やっと曲名がわかる、のがふつうだ。うっかりしていると知っている曲でも、なんの曲だからわからないまま終わってしまうことがある。
むかし好きだったボブ・ディランを久しぶりに見にいこう、というファンの郷愁など、ディランの眼中にはない。ノスタルジーは風にまかれてしまう。なぜって、いつも「現在進行形」なのだ、ボブ・ディランは。
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Youtubeから音源を3つあげておきます。
Bob Dylan Blowing in the Wind @Fuji Rock Festival 29.7.2018
Bob Dylan Don't Think Twice It's All Right @Fuji Rock Festival 29.7.2018
"Ballad of a Thin Man" Bob Dylan @ Fuji Rock Fes 2018 #FRF18 #Fujirock #BobDylan
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Fuji Rockのセットリストを、以下のサイトで確認できます。