スタジオでの打ち合わせシーン。
「未公開映像をもとにした新たなビートルズ映画の製作が発表!」
http://trc.universal-music.co.jp/t?r=AAAFbGFkJN8quxcppBlqHEBIi96ZFrgtBXiGEQ
こんなニュースがはいってきました。なんと、またもやビートルズの未公開映像が発見されたのか、とおどろいて文面を読むと、、、
新たに製作される映画は、1969年1月2日から1月31日の間にスタジオで撮影されたビートルズの約55時間に亘る未公開映像を基にしたものになる。
なんだ、つまりは、映画『レット・イット・ビー』のために、スタジオで撮影されながら、映画につかわれなかった映像を、再構築して作品化しようというもの、ということではないか。
ではがっかりか、というとそうではない。
映画『レット・イット・ビー』は、いまだに公式でビデオ化もDVD化されていない幻の映画。ファンは、この映画の公式発売をずっと待っている。
そして、映画『レット・イット・ビー』が公式発売されるときは、撮影の未公開映像がたくさん付録でつくのではないか、という「うわさ」はずっとあったのだ。
これは、どうやらその未公開映像から、本腰をいれて、1本独立した作品をつくろう、という話ではないか。
映画『レット・イット・ビー』は、ビルの屋上でおこなわれたミニ・コンサートで終わる。
これはビートルズが公衆の前でやった最後のライヴだから(1969年。予告なしのフリー・コンサート)、貴重なのはもちろんだ。
けれど、じつはそのシーン以上に、わたしは映画公開のときには、ビートルズが、できかけの曲をギター・コードの説明からはじめて、完成させていくスタジオの映像に、いちばん興奮した。
ビートルズの曲づくりの過程が映像で見られるなんて、これまでの劇映画にはない感動だった。
この映画『レット・イット・ビー』は、メンバーが解散へ向かう「仲たがい」のシーンが映像に刻まれているので悲しい、というひともいるけれど、リアルタイムで見たときは、そうおもわなかった。あとになって、そういう目でみるからそう見えるのではないだろうか。
バンドが曲を完成させていくのに、多少の口論があったり、意見がくいちがうシーンがあっても、それが分裂を象徴するシーンだなんて、いちいち結びつけて考えるだろうか。
わたしは、公開当時(1970年)、映画『レット・イット・ビー』を悲しい目で見たことはない。ワクワクしながら有楽町の「スバル座」に通って、入れ替えのない当時、1日2回か3回見て、興奮して帰った。
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新作映画を監督するピーター・ジャクソンいわく。
「55時間分の未公開映像と、140時間分の音源を使わせてもらうことができるので、この映画をビートルズ・ファンが長らく夢見ていた “現場に立ち会う”という究極の映像体験にしようと思っている。つまりタイム・マシーンに乗って1969年に戻り、スタジオで4人が素晴らしい音楽を作っている現場に居合わせるような体験だ」
監督の言葉どうりの作品になれば、それはすばらしい映像体験だ!
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映画『レット・イット・ビー』のために撮りためた、55時間の未公開映像が残っているなら、ビートルズが、いろいろな楽曲を、練習し、完成させていくシーンを生々しい映像で見られるのではないか、という期待が高まる。
海賊盤で聴くと、ビートルズはこの「ゲット・バック・セッション」といわれる時期に、たくさんの曲を演奏している。それを映像つきで見られるのではないか?
事実そうなら、すごいことだ!
しかし、実際のところ、どれだけきちんとした映像が残っているのだろう?
あまり期待値のハードルをあげすぎると、あとでがっかりするかもしれない(笑)。だから、少し冷静になって、これからのニュースを待つことにしよう。
それから、ニュースの詳細を読んでいくと、どうやらこんどこそ、映画『レット・イット・ビー』も公式にDVDやブルーレイで発表になるようだ。
来年、映画『レット・イット・ビー』は、劇場公開から50年になる。
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ザ・ビートルズ - レット・イット・ビー
映画のなかで「レット・イット・ビー」が歌われたシーン(完全版ではない)。
The Beatles - Don't Let Me Down
ビートルズ最後のライヴ。
2 of us fast
映画「レット・イット・ビー」のワン・シーン。この公式音源とはちがうロック・ヴァージョンの「Two of Us」が大好きで、ギターを弾きながら友人とコーラスをやったっけ(笑)。ポールがエルヴィスをまねながらジョンとたのしそうにデュエットしている。映像がよくないが、映画が公式発表になれば、きれいな映像で見られる。