かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

埼玉出身のわたしが映画『翔んで埼玉』を見る(2月28日)。

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わたしは、埼玉県熊谷市の出身。いまも1週間の半分近くを川越で過ごしている。全身の80〜90%が埼玉の風土でできあがっている。


だから、「さいたま」を題材にした映画が公開になったのなら、知らんふりしているわけにはいかない。しかも、主演のひとりは二階堂ふみなのだ。見るっきゃない。


というわけで、2月28日木曜日、雨。


武内英樹監督、二階堂ふみ主演の『翔んで埼玉』を、午前8時55分から、という早い時間に、「イオンシネマ板橋」へ見にいってきました。



『テルマエ・ロマエ』の監督が贈るディスり合戦開幕! 映画『翔んで埼玉』予告編 /2月22日(金)公開



パタリロ!」で知られる漫画家の魔夜峰央が1982年、当時自らも居を構えていた埼玉県を自虐的に描いたギャグ漫画として発表し、30年以上を経た2015年に復刊されるとSNSなどで反響を呼んだ「翔んで埼玉」を、二階堂ふみGACKTの主演で実写映画化。


(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/89016/


以上は、ストーリーの説明ではなく、この映画の概要です。わたしは、コミックに疎いので原作を読んでいないだけでなく、SNSでそういう話題があったのも知りませんでした。


落語のマクラ(本題の前の導入部)のなかに、むかし噺家は差別されていて、「士農工商」より下の身分で、道路のなかを歩くことができず、ドブのなかを這って歩いた、っていう自虐ネタがあります。


東京都が「武士」なら、埼玉県は下の下のまさに「噺家」の身分。その上の千葉が「商人」くらいの位置って感じです。これは映画での扱いがですよ。


群馬はもはや未開のジャングルで、荒れ果てた沼の上を翼竜が飛んでいる・・・(笑)。


徹底的にハジけた映画。予告編にあるように、「大茶番劇」!


埼玉県民と千葉県民は、東京都へいくためには通行手形がなければはいれない。埼玉県民は、「草を食べて生きてろ」といわれるほど、軽蔑されている。


埼玉よりはマシだけれど、やっぱり屈辱的な扱いを受けているのが、微妙な位置にいる千葉県民。


侮蔑された下層の埼玉・千葉の両県は、「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」を組織し、おのれの郷土愛を賭けて闘う。


高みの見物は、東京都と、それにうまくとり入る神奈川県。


しかし、「埼玉解放戦線」と「千葉解放戦線」は、不遇同士の闘いをやめ(いわば「野党一本化」)、不正のうえにアグラをかく東京都に反旗をひるがえす。


「熊谷」「行田」「春日部」「草加」「所沢」「川越」「深谷」「大宮」「浦和」(順不同)ののぼりをかかげて、戦国時代のように戦うシーンは、笑いなくして見られない。


千葉のほうも、同じようにのぼりをかかげていますが、あまり地名を知らないので省略させていただきます。


おおざっぱだけど、そういう話(書いていて、自分でもよくわからない、笑)。



とにかく、容赦ないギャクが半端でない。ここまでやれば、「埼玉県民」も「千葉県民」も、翼竜が沼を飛んでいる「群馬県民」も(笑)、めくじらをたてることはないのでは。


あとは説明不要、映画館で、シュールな世界をたのしんでください。ただ、どうだろう、関東圏以外のひとに、この徹底した「シャレ」が通じるのかどうか、埼玉県民どっぷりのわたしには判断がつきにくい。


もし、関東圏以外の方でごらんになった方がいらっしゃいましたら、率直な感想を教えてください。


二階堂ふみは、あいかわらずトンがっていたけれど、のんびりした三枚目役がにあう麻生久美子も、年を経て、なお美しかった。



帰りは、定食屋さんでカレー定食とホッピー。最近カレーばかり食べている気がする。いや、実際に食べている。