かぶとむし日記

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三谷幸喜監督『記憶にございません』を見る(9月15日)。

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9月15日、日曜日。日中は、まだ暑い。


川越駅で妻にクルマでひろってもらい、「ウニクス南古谷」へ、三谷幸喜監督の『記憶にございません』を見にいく。


急だったのでネット予約していなくて、チケット売り場に並んだ。




三谷幸喜×中井貴一!映画『記憶にございません!』予告編




歴代だか戦後だか、とにかく最低の不人気総理大臣が、聴衆から投げられた石にあたって記憶喪失に。


それから、ひとがかわったように正しい政治改革をはじめる、という話。


まったくの喜劇で、パロディとか風刺のようなものはない。これまでの三谷幸喜作品でも、何かを風刺するようなものを感じたことはないけれど、今回は題材とタイトルが微妙なので、少しはそういう要素がはいるかな、っておもったけど、やっぱりなかった(笑)。100%コメディ。


三谷作品といえば、群像コメディー。たくさんの人物が入り乱れてテンヤワンヤで笑わせてくれる。


今回も出演者がすごい。


中井貴一ディーン・フジオカ石田ゆり子佐藤浩市草刈正雄小池栄子斉藤由貴木村佳乃、吉田羊、田中圭などなど。


これだけたくさんの登場人物を自由自在に動かせる監督は他に何人もいないのでは、とおもう。


ギャラクシー街道』のように、笑いが空回りしてしまった作品もあるけれど、だいたいが気軽にたのしめて、わたしは新しい作品が上映になると、なにはともあれ見にいってしまいたくなる魅力がある。


今回は、三谷作品のなかでとりわけ傑作とはいえないかもしれないけれど、見ているときはおもしろかった。


中井貴一は、うまいなあ、とおもう。独特のコメディセンスをもっている。


あたふたしている記憶喪失の総理大臣を演じているのに、それが政治の腐敗を正す気持ちになると、いつのまにかシャッキとした顔になっている。その切り替えがわざとらしくない。


それから小池栄子。『八日目の蝉』で主人公の友人役をやったのを見てから、注意をするようになった。どんなちいさな脇役でも、いつも存在感あるな、っておもう。


とにかく多くの出演俳優が、それぞれ個性を発揮して、笑わせてくれた。役者に演技をのびのびさせるのも監督の技量だろう。


チャップリン映画のように、笑いのなかに人生の哀感や風刺がはいるともっと幹の太いコメディになるかもしれないけど、三谷幸喜作品にそれを望むのは見当ちがいだ、ともおもう。これはこれで笑いにテッテーしていて、たのしい。



帰り廻るお寿司の「はま寿司」へ寄って、川越のマンションへ帰る。