かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

NHK・BSのドラマ、三遊亭圓朝原作『牡丹灯籠』がおもしろい!

f:id:beatle001:20191015133450j:plain




10月6日(日)からはじまった『牡丹灯籠』NHK・BS、午後10時から)がおもしろい。どっしりした重厚感があります。


演出もスジの運びも、4回の連続ものなので展開を急がず、全体に落ち着いています。


尾野真千子(お国)と江本佑(源次郎)の悪人コンビが、全編の中心的な人物として登場しますが、『牡丹灯籠』は、登場人物が多いので、そのほかの多彩な俳優陣の活躍もたのしみ。


最初の2回だけでも、尾野真千子の悪女ぶり、ワクワクしてみました(笑)。


幽霊話で知られる「お露と新三郎」では、お露を上白石萌音(かみしらいし・もね)、お露に付きそう年増の女中・お米を戸田菜穂(原作のイメージよりずっと美しい、笑)、お露が恋い慕う新三郎を、中村七之助が演じています。


いままで、映画やドラマで描かれてきた『牡丹灯籠』は、長い話のなかの「お露と新三郎」という幽霊話で、たしかにここは独立してみてもおもしろいのですが、三遊亭圓朝の原作は、もっと人物関係が入り組んでいて、全体の意外な展開を知れば、さらにこの話に興味がわくのではないか、とおもいます。



明治時代、原作者の三遊亭圓朝は、寄席などで続きものとしてこの長編を披露したんだとおもいます。明治のひとだから、録音はありませんが、幸いに「速記本」で圓朝の語り口が残っています。


会話体の文章ですから、読みやすくて、わたしは台風の日、どこにも外出できないので、半分くらいまで電子書籍で読み返してみました。


『三遊亭円朝全集・42作品⇒1冊』

『三遊亭円朝全集・42作品⇒1冊』

電子書籍では99円でダウンロードできる。



現在残っていて聴ける録音としては、6代目三遊亭圓生が、「お露と新三郎」(有名な怪談の部分)と、その後の「栗橋宿・おみね殺し」を口演していて、Youtubeで見ることができます。


台風の日、ドラマを見た勢いにまかせて、この2つも聴いてみました。


三遊亭圓生という名人中の名人の語り口は、登場人物をきっちり描きわけ、自分もその場にいあわせているような臨場感を味あわせてくれました。


『牡丹灯籠』のなかの「お露と新三郎」の話はドラマや映画で知っているというひとは、ぜひ「栗橋宿・おみね殺し」を聴いてみてください。名人の語り口がとっても鮮やかです。



長い話ですが、前編・後編をアップしておきます。栗橋や幸手を舞台にして展開する後編がなかなかおもしろいです。





三遊亭圓生(六代目)牡丹灯籠(お露と新三郎/御札はがし)





三遊亭圓生(六代目)牡丹灯籠(栗橋宿・おみね殺し/関口屋強請)