かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

佐藤快磨監督『泣く子はいねぇが』を見る(11月21日)。

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吉岡里帆と仲野太賀。




11月21日、土曜日。晴れ。


川越駅へ、妻にクルマで迎えにきてもらい、「ウニクス南古谷」の映画館へ、佐藤快磨監督の『泣く子はいねぇが』を見にいく。


佐藤快磨監督の映画を見るのは、はじめて(長編映画デビュー作)。


予告編を見たとき、「企画・是枝裕和と出ていたので、公開をたのしみにしていた。





映画『泣く子はいねぇが』本予告 | 11/20(金)公開



是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」が企画協力し、佐藤監督の地元・秋田の伝統行事「ナマハゲ」を盛り込みながら、大人になっていく20代の若者たちの姿を描く。




(「映画.com」から)
https://eiga.com/movie/92499/


若い夫婦に子どもが誕生する。夫・たすく(仲野太賀)はよろこんいるが、妻・ことね(吉岡里帆は表情が暗い。


ことねは、おとなになれないで、あいかわず酒癖の悪いたすくに愛想をつかしていた。


「ナマハゲ」の集まりに出かけるたすくに、ことねは「今日は早く帰ってきて」というけれど、たすくは、酒を断り切れず、最後は泥酔して、全裸で街を走り回る。それがテレビで放映された。


ことねに愛想を尽かされ、地元では暮らせない。たすくは東京で新しい生活をはじめる。


東京での生活が2年。


たすくことねや子どもへの思慕が断ち切れず、故郷秋田へ帰る。


しかし、ことねには新しい夫がいた・・・。



仲野太賀は、脇役では何作かみているけれど、主演作ははじめて。自然な演技がいい。彼を見ていると、どんどん物語のなかに惹き込まれていく。


生きることがへた。自分の酒癖の悪さには、自分で愛想をつかしている。でも、ことねや子どもといっしょにもう一度やり直せるならそうしたい、と願っている。


そういう、なさけなくもやさしい男を、仲野太賀は、十二分に演じている。この俳優が好きになった。


妻・ことね吉岡里帆。若いグラビアモデルのイメージがあるけれども、ここでは生活にくたびれた主婦を演じている。夫への怒りと不安からか、表情はやつれている(でも、きれい!)。終始不機嫌な吉岡里帆もよかった。




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吉岡里帆。終始こんな表情で・・・。




さすが「分福」が企画協力した作品。


佐藤快磨監督の、説明を極力抑え、ワン・シーン、ワン・シーン、描写を積み重ねていくタッチは、見応えがあった。



この日、おでんが食べたかったので、スーパーで買い物をして、外食なしで自宅へ帰る。