今村昌平監督『果てしなき欲望』。1958年の作品。
2021年1月2日。
近所に住む孫のふた家族が、少し時間をずらしてくる。
昼からきた娘の双子は、昨年から小学生になった。いまは、クラスもちがう。性格のちがいもはっきりしてきた。
「スーパーマンを見る」と双子の妹がいうので、、、
DVDでクリストファー・リーブ主演の『スーパーマンII』を見る。この映画の監督は、『ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!』と『HELP!』のリチャード・レスター。
見ながら「なんで、なんで」の双子の質問がうるさい。こっちだって久しぶりに見るので、ほとんど細かいところは忘れている。
「映画は、黙って最後まで見るもんだ」といっても、すぐ「なんで?」とくる。
それでも、ひさびさに『スーパーマンII』を最後まで見た。
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午後は、長男が、1歳の女の子を連れてやってきた。「長男・妻」は、正月2日でも、病院で介護の仕事。
赤ん坊は、よく歩き回るが、言葉はしゃべらない。「あー、あー」と意味のわからない声を出す。ときどき鼻水を垂らしているので、わたしの妻がおいかけて拭く。
そのへんにあるものをつかんでは投げ、つかんでは投げしているので、家のなかがいっしゅんで無政府状態になる。
わたしは缶ビールと缶チューハイ。長男は、缶ビールを、「おめでとう」をいうでもなく飲みはじめる。赤ん坊が昼寝にはいったら、長男もその横で寝てしまった。
わたしは、ソファーで横になって藤沢周平の『橋ものがたり』をキンドル版で読む。
- 作者:藤沢 周平
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 単行本
藤沢周平が描く江戸庶民のものがたりが好きで、『橋ものがたり』を読むのは2度目。
両国橋、永代橋、万年橋、新大橋など、江戸には橋がたくさんあった(木橋がコンクリートの橋になったが、いまもある)。その橋にからむ男女の切ない短編集。
江戸の庶民は、たいていは自分の住む町で暮らしていた。移動は歩きだから、ふだんあまり遠出はしない。橋の向こうとこちらでは、別の町がひらけていた。橋をわたることが、もう逢うことのない男と女のわかれの決意であったりする・・・。
読みながらいつのまにか、昼寝していた。
夕方、妻が、この日病院の仕事だった「長男の妻」を、クルマで迎えにいく。夕飯を食べて、お風呂へはいり、長男家族は帰った。
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夜、DVDで今村昌平監督の『果てしなき欲望』を見る。1958年の作品。出演は、西村晃、殿山泰司、小沢昭一、渡辺美佐子、加藤武、長門裕之、中原早苗。
2019年6月4日 今村昌平初期傑作新装シリーズ第二弾 『果しなき欲望』DVD発売!
こんなあらすじ・・・。
終戦の日に、軍医・橋本中尉が埋めた時価6,000万円のモルヒネを、ほとぼりが覚めた10年後に発掘して、ヤマ分けする約束だった。
示しあわせてあった駅へ、4人の男とひとりの女がやってきた。
なぜ女が?
女は、橋本中尉は死んだ。「私」は、橋本中尉の妹だ、と名のる。
モルヒネが埋めてある場所には、戦後になって肉屋が建っていた。
不動産屋という看板を出して、隣りの空き家を借り、肉屋の真下まで、地下通路を掘ることにする。
男たちは、お金への執着と女への欲望が昂まり、それぞれ隙あらば出し抜こうと小競り合いがはじまる。
欲望に憑かれた5人の姿(4人の男と1人の女)の醜悪さを、滑稽に描いたブラック・コメディ。