『サマーフィルムにのって』。
9月8日(水)。
「新宿シネマカリテ」へ、松本壮史監督の青春映画『サマーフィルムにのって』を見にいく。
上映時間を勘違いしていて、映画がはじまる前ギリギリに到着。予告編がはじまっていた。
高校3年生ハダシは時代劇映画が大好きだが、所属する映画部で作るのはキラキラとした青春映画ばかり。自分の撮りたい時代劇がなかなか作れずくすぶっていたハダシの前に、武士役にぴったりの理想的な男子、凛太郎が現れる。彼との出会いに運命を感じたハダシは、幼なじみのビート板とブルーハワイを巻き込み、個性豊かなスタッフを集めて映画制作に乗り出す。
(「映画.com」から)
https://eiga.com/movie/93813/
妻から、「高校生の青春映画を見ておもしろいかな」といやみ90%でいわれていたが、予告編がおもしろかったので見にいってみた。
そんで、それが「当たり!」だった。
高校生の映画部が自分たちで撮る映画といえば、等身大高校生のキラキラ恋愛映画がふつう。でも、時代劇オタクのハダシ(伊藤万里華)は、そんなかったるい映画ではなく、勝新主演『座頭市』のような、かっこいい時代劇が撮りたかった。
脚本はできていた。しかし、ハダシの学校には主人公にぴったりの侍顔の男子がいない。で、撮る気になれずにいた。
そこへ現れたのが、顔が旧式イケメン凛太郎(金子大地)。
ハダシ監督の創作意欲がメラメラ燃え上がる。
ハダシの親友、ビート板(河合優実)とブルーハワイ(祷キララ=イノリキララ)の協力を得て、ロケ地やスタッフや出演俳優をさがしがはじめる。
脇役がみんな個性的。じつにいい。ビート板もいいし、ブルーハワイもいい。その他、集められたスタッフ、脇役俳優がユニークで味がある。脇役であって脇役でない。
異色青春映画を満喫して、映画館を出る。
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わたしの小学生のころは、東映・大映の時代劇がピークだった。子供にとって、映画といえば時代劇。
テレビが普及してないから、映画で連続もの時代劇があった。中村錦之助、東千代之助主演の『紅孔雀』シリーズ。月形龍之介主演の『水戸黄門』シリーズも好きだった。新しいのがかかると、町の映画館へ走る。
そんなわたしの世代が懐かしむ時代劇映画に、現代の女子高生たちが情熱を燃やす、という着想からして可笑しい。
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「みんなで声をあげましょう」
と、政府の延々と続く飲食店叩きに抗議の声をあげる、新宿地下街の「BERG (ビール&コーヒー・ショップ)」へ寄り、カレーライスとテイクオフ用の生ビールを注文する。