かぶとむし日記

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松元ヒロ主演のドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』を見にいく(1月29日)。

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松元ヒロさん。




1月29日(土)、晴れ。



ポレポレ東中野」へ、ピン芸人・松元ヒロ」を追ったドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』(四元良隆・牧祐樹の共同監督)を見にいく。


ポレポレ東中野へいくのはひさしぶりで、東中野駅を反対方向(東口)に降りてしまった。


おもっていた景色とちがうので、交番で教えてもらって、西口まで歩いた。


時間があったので、1階の喫茶室へ寄る。ネットで予約したQRコードを見せると割引になると、店員の女性に教えてもらったので、携帯を出して見せると、コーヒーを300円にしてくれた(もとの料金を見なかったけど)。


そういえば、以前、三上智恵大矢英代共同監督ドキュメンタリー映画沖縄スパイ戦史を見にこの映画館へきたときは、インターネットの予約システムはなくて、早くきて、並んで整理券をもらってはじまるのを待った。単館系の映画館もだんだんネットで席をとれるようになったのでうれしい。





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松元ヒロという芸人は、政治・時事ネタを辛口で扱うが、それを全部笑いに昇華している。


会場は終始笑いがたえない。


腹のなかに溜まった政府や権力者への怒りがいっときだけでも解消される。


こんな毒舌をテレビが容認するはずがないのは、松元ヒロがいちばんわかっていた。


それで、彼はテレビに背を向けた。


しかし、松元ヒロの舞台は、いつもチケットが完売だという。テレビに頼らなくても、食っていけることがわかった、と本人の弁。


松元ヒロを劇場で見ていると、ここに集まったひとたちは「自民・公明」支持者ではない(笑)、とおもう・・・それでか、連帯感のようなものも感じる。


みんなで一緒に笑うのがたのしい。




立川談志永六輔井上ひさしらに愛された芸人・松元ヒロの生き方、彼の笑いの哲学から現代社会を映し出したドキュメンタリー。2020年5月に鹿児島でのローカル放送後、全国で放送され、日本民間放送連盟賞最優秀賞などさまざまな放送賞を受賞した同名ドキュメンタリー番組に追加撮影と再編集を加え、劇場公開。




(「映画.com」より)


この映画は、はじめ鹿児島のテレビマンが公演を見て、なんとかテレビで放映できる特集をつくってやろうと、30分くらいの番組をつくったのがはじまり。それが好評で、さまざまなテレビの賞をもらった。


しかし、テレビでは深夜の時間帯などに放映されて、見そびれてしまったという声も多かった。


そして松元ヒロという、権力を笑い倒す日本には稀有な芸人がいたことを、歴史として残しておきたい。


30分のテレビ番組が、80分のドキュメンタリー映画になった。


テレビに登場しない松元ヒロが、テレビマンの情熱で映画化されたという経緯も、おもしろい。


松元ヒロの、舞台、家庭、リュックを背負っての移動・・・などにカメラが密着していく。


政府への辛辣な笑いとは対照的に、松元ヒロの弱者へのやさしい目線がみえてくるのも、このドキュメンタリーのすばらしさ。こんなすてきなひとがいたんだ、と、それを残したいとおもったふたりの監督の気持ちが映像のなかに滲み出ている。


駐車場の隣りに(自宅のマンションかな?)、公明党無人の街宣カーがある。自分のクルマを横に停めながら、ニコッと笑って、誰にともなく「がんばりましょう!」というのがおもしろく、劇場で爆笑が起こった。


このニュアンスは実際に映像を見ていないとわかりにくいかもしれない。


欲をいえば、もう少しカットのない長めの松元ヒロの舞台が見たかったが、それはまたみなさん実際の公演でたのしんでください、という製作者たちの意図かもしれない。


こんど東京近辺で公演があったら、ぜひ行こうとおもった。



終映後、プロデューサー、二人の監督、松元ヒロの舞台挨拶があって、熱気に包まれた。


そのなかでプロデューサーの阿武野勝彦氏(東海テレビから「このなかで実際の公演を見た方はどのくらいいらっしゃいますか?」というので、わたしも手をあげた。ほとんど全員が手をあげたようにみえた。


次に「5回以上見たという方は?」といわれたが、多数のひとが手をあげていた。


ちなみに、まだ公演は見たことがない、というひとも2、3人いた。


帰り、サインつきのパンフを販売しています、という案内があったので売店へ寄ったが、列をなしていた。映画というよりコンサートのあとみたい(笑)。




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10年前のステージなので、ネタが古いですが、いまでも共感できるものがあるとおもいます。日本共産党から呼ばれての公演みたいですね。





帰り、東中野で昼から飲める居酒屋をさがしたが、映画館のすぐ近くに飲み物もツマミも豊富ないい居酒屋があって、「きょうは100%満足だなあ」とおもいながら、おいしい生ビールを飲む。