「平成の森公園」の菖蒲池。まだ咲きはじめ。
5月21日㈰。晴れ、暑い。
稲毛(千葉県)のセキネ夫妻、川越へ来る。川越駅へ妻の運転で迎えにいき、まずは家へ寄ってもらい、少し休む。
セキネ夫妻、妻とわたし、旧交を缶ビールで乾杯(妻はコーヒー)。
数年前に会う予定がコロナの影響で、延びに延びてしまった。
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先日はまだ少ししか咲いてなかった「平成の森公園」の薔薇が、いまは満開かもしれない、とおもい、妻の運転でいってみたが、もう盛りを過ぎていた。
薔薇はだいぶ弱っていたが、子どもの遊戯施設もあるので、たくさん人が出ていた。日除けのテントがあちこちに張られている。
菖蒲の池には、白い菖蒲が少し咲きはじめていた。
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昼間から飲める「野草庵」へ寄る。
話題にはこと欠かない。むかしセキネ夫婦とは、あちこちドライブ旅行をした。子どもたちも連れて。
その記憶が、入り乱れていて、あれは何年のときだったか、あのとき、子どもは幾つだったか、そういう思い出話もいろいろあった。
そういえば、日航機墜落事故(1985年8月12日)のときは、ふた家族で千葉の、海に近い民宿に泊まっていた。
そのとき、わたしは、海特有の強い日差しに焼かれて、背中が火傷(やけど)状態になっていた。夕飯のお酒が喉を通らない。深夜になっても痛くて眠れない。
うんうん唸りながら、テレビで次々画面に流れる、墜落事故の犠牲者速報を、見るともなく見ていた記憶がある。
隣室では、セキネ家のリョウちゃん(長男)が、まだ赤ん坊で、はじめて海へはいった興奮からか、火がついたように泣きじゃくっていた。
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セキネ妻は、映画『イエスタディ』(2019年製作)を話題にした。
「映画見ましたか?」
「見ましたよ」(わたし)
セキネ妻は、わたしと同じ最古のビートルズ・ファン。日本武道館のビートルズ公演(1966年)も見ている。彼女は、当時買ったレコードやビートルズの特集雑誌をいまも大切にもっている(わたしが持っているのは記憶だけ、笑)。
セキネ妻は、映画『イエスタディ』の最後の方に、80歳(?)のジョン・レノン(もちろん似ている俳優が演じている)が登場したときのおどろき(=感動)を話していた。
ビートルズのいない世界では、ジョン・レノンはビートルズではなく、父親と同じ船乗り。世界の海を渡り、80年の幸福な人生を生きてきた、という設定になっている。胸が熱くなるシーンだった。
映画の80歳(?)になったジョン・レノン。
わたしは、『イエスタディ』を、二度見た。二度目は、妻と見にいった。妻に「最後おどろくようなシーンがあるよ」と、あらかじめ漠然と話しておいた。
で、映画が終わって、妻から「最後のおどろくシーンって何?」とこともなげにいわれたので、逆にびっくりした。
「80歳(?)のジョン・レノンが出てきたろ。『あれっ』とおもわなかったか」と、聞くと「とくにおもわなかった」という。
夫が敬愛している人に対して、鈍感すぎやしないか……とおもったのだが。
セキネ夫は、むかしビートルズを聴いてはいたが、セキネ妻やわたしほどではなかったので、「二人の方が特別なんだよ」と、わたしの妻に共感してみせた。
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3時間ほど話して、セキネ夫妻を川越駅へ送る。