かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

三浦大輔監督『そして僕は途方に暮れる』を見る(1月15日)。




1月15日㈰。
妻の運転で「ウニクス南古谷」へ、三浦大輔監督の『そして僕は途方に暮れる』を見にいく。


予備知識なし。「そして僕は途方に暮れる」のタイトルに惹かれて見にいく。







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主人公の裕一(藤ヶ谷太輔は、恋人や同郷の幼馴染やアルバイト先の先輩の部屋を、転々とするーーつまりは相手から非難されるとすぐ現実から逃げ出してしまうーー。


おもしろいキャラクターだとおもったけれど、ほぼ型通りで、深みは感じられなかった。


行き場を失った裕一は、最後、原田美枝子演じる母のいる実家へ逃げ込む。電話の母はいつも優しかった。


ここで仕事を探してお母さんといっしょに住みます、といったとたん、原田美枝子の母が、「それならあなたもはいってください」と宗教のパンフレットを差し出す。


このときの母の笑顔が怖い。このシーンが一番印象に残った。


母の家からも逃げ出し、道端で途方に暮れていると、家族を捨てて逃げ出した父(豊川悦司)と偶然出会う。父は職業をもたず、世間から姿を隠して、毎日パチンコで食いつないでいる。


父は、現実逃避に関して裕一の先輩だった。


浮浪人の父を、豊川悦司が演じている。ロン毛のムサイ男で、こういう役の豊川悦司はツボにはいっている。はいりすぎているかもしれない(笑)。


豹変する優しい母と、妻子を捨てて姿をくらました父が、よかった。原田美枝子豊川悦司だ。


ヒロインは、優しい恋人を演じた前田敦子。こんな恋人なら、もっと大切にしたらよかったのに、とおもう。


スキャンダルで芸能界から姿を消した香里奈が、裕一の、無愛想な姉を演じていた。


この映画、わたしは、もう一歩という感じだったが、妻は「おもしろかったね」と満足していた。


わたしは「そうお?」と返し、「藤ヶ谷太輔って、コン・ユ(韓国の俳優)に似てない?」といったら、「似てない」と一蹴されてしまった。



コン・ユは、韓国映画『新感染ファイナル・エクスプレス』(2016年)や『82年生まれ、キム・ジヨン』(2019年)に出演している。