かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

残念な映画2本 〜『グッド・バイ、バッド・マガジン』〜『レジェンド&バタフライ』。

1月25日㈬。
池袋ルミネ8階の「シネ・リーブル池袋」で、横山翔一監督の『グッド・バイ、バッド・マガジン』を見る。




志望していた女性誌とは正反対の男性向け成人雑誌の編集に配属されてしまった女性。ひと癖もふた癖もある編集者やライター、営業担当者たちに囲まれながら一人前の編集者として成長していくが、物語は思わぬ方向へと転がっていく。




(「映画.com」より)



ネットの映画案内を見て、おもしろそうだとおもった。自主制作が評判を呼んで一般公開になった、というのも期待できそう。成人雑誌をつくる楽屋裏にも興味がある。


でも、どうだったか。わたしには騒々しいだけで、もうひとつしっくりこなかった。題材はたのしそうなのだから、もう少しなんとかなんないのかな、とおもう。後半のストーリーもおもしろくない。



午後5時からひさしぶりに居酒屋「春日」へいく。アジの叩き、カキ鍋をつまみに、熱燗・熱燗・瓶ビール(大)を飲んで帰る。島田荘司の『火刑都市』がおもしろい。




1月28日㈯。
妻同行で、「ウニクス南古谷」へ、木村拓哉綾瀬はるか主演の『レジェンド&バタフライ』(大友啓史監督)を見にいく。






こういう大作はこけることが多いので、7割くらいは期待していなかった。ただ妻は木村拓哉を、わたしは綾瀬はるかを見たくていった。それに題材が、歴史上一番興味深い人物・織田信長だし。


しかし、30分くらい見て、こりゃおかしいとおもった。この映画何を描きたいのだろう。


信長と濃姫がお忍びでお祭りにいく。そこで信長が何かを子供に盗まれる。いまでいえばホームレス集団の子供のようだ。


信長と濃姫は、子供を追っていく。するとホームレスの集団に囲まれる。彼らは武器を持っているから怖いといえば怖い。しかし、なんのためらいもなく、信長と濃姫がホームレス集団を、血しぶきを飛ばしながらメッタ斬りにするのには目を閉じた。


妻に「出ようか」というと「もう少し見る」という。


中盤から後半、立て直してくれることを望んだが、ますます「オカシイゾ!」が加速する。信長って、こんなつまらない人物だったか?


木村拓哉綾瀬はるか、がどうのというより、土台になっているシナリオ、そして演出がひどいのではないか。


最後のクライマックス「本能寺の変」。信長が、一般の兵隊のなかにまじっていつまでもチャンバラをやっている。


主君が、敵の一兵卒と斬りあって首を獲られたらどうする? 大将としてのあたり前の自覚もない(そういうキャラクターで描いているならいいが)。こりゃ、信長の出来の悪い影武者だ。


妻に「先に出るよ。ロビーで待っている」と抜け出す。


製作費20億、とか宣伝にあった。壮大なムダづかい(?)。


ロビーで島田荘司の『火刑都市』を読む。こっちのほうが全然おもしろい。もっと早く映画に見切りをつければよかった。



映画館で見た1本は「もうひとつ」で、もう1本は最悪だったが、最近Netflixで見た舞妓さんちのまかないさん』(是枝裕和監督)はよかった。「さすが是枝監督!」というような味わい深い作品。これは機会を改めて記録しておこう。