5月10日㈬。
渋谷の映画館「ユーロスペース」へ、アレクサンドル・ソクーロフ 監督の『独裁者たちのとき』を見にいく。久しぶりの渋谷の街、久しぶりの「ユーロスペース」。
「エルミタージュ幻想」「太陽」などで知られるロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフが、ダンテの「神曲」を彷彿させる冥界を舞台に、神の審判を受けるため天国の門を目指してさまよう独裁者たちの姿を描いた異色ドラマ。
(略)
実在した人物たちのアーカイブ映像を素材として使用し、独特なデジタルテクノロジーで彼らの姿をスクリーンによみがえらせた。セリフも全て実際の発言や手記を引用している。
(「映画.com」)
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冥界を徘徊する独裁者たちの亡霊(ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニ)。どんな映像が展開するのか? そんな興味で見にいく。
独裁者たちは、亡霊になっても、互いを誹謗・嘲笑し、いまなお野心を隠さない。
監督の痛烈な現代への批判……。
冥界に住む有象無象の群衆が「あなたたちが来るのを待ってました」とばかりに、独裁者たちの登場に、陶酔、歓喜、喝采する。
しかし、これって、いまの日本や世界のリアルな姿じゃないの?
残念なのは、朝から眠気がまとわりついて、独裁者たちの会話のニュアンスを聞きとれなかったこと。
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映画館近くの「磯丸水産」で、生ビール、ホッピーとまぐろ丼の昼飯をすませて帰る。