かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

白井聡・雨宮処凜の対談『失われた30年を取り戻す』〜受け身の若葉竜也がすばらしい映画『街の上で』(今泉力哉監督)。

6月13日㈭。
昼、妻は仕事。


自宅で、白井聡(しらい・さとし)と雨宮処凜(あまみや・かりん)の対談本『失われた30年を取り戻す〜嘲笑と冷笑だけが武器!?』(Kindle版)を読む。




「国体護持」という言葉は、いま死語のようになっているが、じつは日本は、昔も今もかわっていない。服従もしくは隷属の対象が、戦前・戦中は「天皇」であり、戦後は「アメリカ」にかわっただけ……という歴史学者白井聡氏。


高校を卒業後、右翼の組織にはいり、訣別…。その後「貧困・格差」の問題にとりくむ、というめずらしい経歴をもった雨宮処凜さんとの対談。


おもしろく読む。



夜、妻と「Netflix」で、今泉力哉監督の『街の上で』(2019年製作)を見る。映画館で3回は見ている。Netflixでは、2回目か…。



今泉力哉監督(左)と若葉竜也




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青年・荒川くんを若葉竜也が演じる。全編受け身というめずらしい主人公だ。彼の行動範囲は、東京の街「下北沢」を出ない。


下北沢の古着屋で働き、街の古本屋、ライブハウス、コーヒー・ショップ、スタンド・バーへ出入りする。


そんな彼に、大学生の自主製作映画に、出演の依頼がくる。


若葉竜也演じる荒川くんは、突然の映画出演に戸惑うが、本音は出たくないわけではない。でも、自信がない。


しかし、背景で、いつものように黙って本を読んでいればいいらしい。それなら自分でもできるような気がする。


「謙虚」な荒川くんが、学生の映画製作にまきこまれる、という話…。



映画全体のストーリーは、荒川くんが恋人にふられ、その恋人がふたたびもどってくるまで…。しかし、みどころは、そこにない。


この映画のおもしろさは、1にも2にも「ディテール」。細部のからみあい。破片の組み合わせ。


受動的な荒川くんへ、4人の女性がからむ。個性をもった4人の女性に、終始受け身で対応する荒川くんが可笑しい。


自分から積極的に行動にうってでることはしない。謙虚で、奥ゆかしい…。ドラマの主人公らしくない。


そういう青年を、若葉竜也がみごとに演じている。


中田青渚(なかた・せいな)と、テーブルをはさんでの、カットなしの長回しシーンのおもしろさ。


最後に、おもな出演者たちが、偶然道ばたにハチ合わせして、誤解をふくんだ、かみあわない会話をぶつけあうおかしなクライマックス。


130分を堪能した。



妻は、わたしの3回目に、鴻巣(こうのす)の映画館でいっしょに見ている。そのときの反応はにぶかった。


しかし今回は、ときどき声をあげて笑っていた。



おまけ!(笑)
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