11月17日㈰。
夕方、ネットで『サンデー毎日』(11月24日号)が「山本太郎代表」にインタビューしているのを知った。
6頁ほどの特集だったが雑誌が「れいわ」の政策を正面から記事にするのはのはめずらしいので、電子版を購入して、読む。
記事の内容はめずらしいものはなかったが、山本太郎率いる「れいわ新選組」が、2019年の結党以来、ブレることなく国民に寄り添ってきたことを確認できる特集だった。
「消費税は社会保障には一部しかあてられていない。70%以上が大企業、富裕層の減税の穴埋めに使われている」
いまではかなり浸透してきたこの考え方も、最初は相手にされないことが多かった。
なぜか人というのは、まっすぐな目で見ない。「人間」をその「付属するもの」で判断する。
「山本太郎」の言動を、タレントだから、目立ちたがり屋の芸能人だから⋯⋯はじめから「キワモノ」としか見ない人にたくさん出会った。
いま自民・公明・立憲以外は、消費税減税を政策にかかげている。「れいわ」にとって、本当は消費税の廃止だが、まずは「共闘しやすい」減税でもいい。そして、そのゴールを決めるのは誰でもかまわない。たとえば国民民主党が手柄にしても。
しかし、最初は「消費税減税」を公約にかかげていた国民民主党は、選挙が終わると(支持団体が気になるのか)、それをいわなくなった。
★
「れいわ」の比例東京ブロックから出馬した、国際政治学者・伊勢崎賢治氏のインタビュー記事が興味をひく。
(前略)国際人道法で最も罪が重いのがジェノサイドだ。戦前でいえば、関東大震災の時の朝鮮人大虐殺がそれだ。あの時も上官は捕まっていないが、それ以降1世紀以上、上官や扇動者の責任を問う法体系がない。ヘイトスピーチは規制するが、ヘイトクライムをどうするか、ということが思考停止したままだ。
太郎さんは、物事の本質を直感的に見極める。この法の空白の問題に彼はビーンときたのでしょう。伊勢崎さん、本当にこれはヤバいですね。ではやりましょうと。
(略)
ウクライナ戦争では、共産党でさえ自民党と同じようにロシア悪玉論で、ウクライナ支援は聖戦という立場だ。ある意味大政翼賛会的政治状況だったが、唯一異を唱えたのがれいわだ。侵略したロシアは悪いが、その言い分も聞かなければ停戦できない。尊い市民の犠牲が積み重なるだけだ、と。
(略)
僕は世界の紛争地で、公務として多国籍軍や各国の指導者たちと人生の大半を過ごしてきた。そんな僕から見ても太郎さんのような異能に出会うのは極めて稀だ。僕のような人間には十数年かかる知見を瞬時に洞察し、それを自分の言葉で表現する能力だ。
「紛争解決請負人」といわれて世界的に知られる伊勢崎賢治氏が、「共産党」でも「立憲民主党」でもなく、ちいさな政党「れいわ新選組」からなぜ立候補したのか、出馬会見を見たときはおどろいたが、このインタビューを読めば至極なっとくする。
伊勢崎賢治氏が、れいわが主張する徹底した平和外交の礎(いしずえ)のひとりになってくれたら、うれしい。