かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「なんでもアリ!」の展開〜片山慎三監督、つげ義春原作『雨の中の慾情』を見る。

 

 

12月3日㈫。晴れ。
夕方、Sさんの運転で「ララポート富士見」へ、片山慎三監督、つげ義春原作の『雨の中の慾情』を見にいく。


1時間くらい早く着いたので、Sさんは建物のなかのお店をぶらぶら見て歩き、わたしは少しだけ付き合って、あとは本を読んで待っていた。



午後18時15分からスタート。


つげファンなのに、原作が思いだせない。このころ(1980年代前半?)のつげ義春のマンガは、たぶんエロチックなので、そういうものではないか、とおもったら、そうだった(笑)。


 

(ファーストシーン)


どしゃぶりの雨。古いバスの停留所で、男と女がバスを待っている。雨は激しい雷雨になった。


雷鳴が轟くと、女が悲鳴をあげる。男は「金具に雷が落ちるので、はずしたほうがいい」という。「それも⋯これも(はずして)」


女は衣服の金具を次々はずし、ほとんど裸体になる。


女の裸体に男は慾情し、犯そうとする。女は田んぼの中へ逃げる。激しい雨のなかを男が追う。


泥んこになった女を、ついに男は捉えて、田んぼの中でレイプする⋯。


(そのあとの展開を、わたしは妄想で予測した)


雷雨がやみ、ウソのような青空になる。女と男は、近くの川でからだと衣服を洗い、再び交わる。


そして、やってきたバスに乗り、見知らぬ他人にもどって別れる。

 


最近わたしは、シンプルな話が好きなので、漠然そういう展開を望んでいたが、そんな生易しい映画ではなかった(笑)。

 

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シュールリアリズムな映像に、暴力とセックスと戦争が交錯する、という、なにがなんだかわからない大乱闘の展開。舞台も時間も自由に行きつ戻りつする。戦争で負傷しても、場面が変わればふつうにもどっている。もうどうでもいいわ(笑)。

 

ただ132分は長いゾ。見終わって疲れた。


つげ義春は、マンガや小説の映画化は、原作とは別物と考えているようだ。映画化をいちど許可した以上、自由にやってください、とおもっているようにみえる。


わたしの映画の感想は「ハズレ」だったが、Sさんは「成田凌もヒロインの中村映里子もよかった」と意外に肯定的だった。


みなさん、どうなんだろう?