かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2024年に見た、わたしの好きな映画(7本)。

ナミビアの砂漠』(左から山中瑶子監督、河合優実)

 

1月7日㈫。
ことし見た映画で、わたしの好きな作品をあげました。個人的な趣味で、しかも日本映画だけです(評価や順位はつけません)。

 

三宅唱監督、松村北斗上白石萌音主演『夜明けのすべて』(2月9日公開)
三宅監督の微妙なバランス感覚が好き。心の病をもつ男女が、互いを想いやりながらありがちな恋愛関係にすすまないのがいい。ふたりを囲む周囲の人たちのゆるいやさしさ。映画を見たあと「幸福感」に包まれた。

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吉田恵輔監督、石原さとみ青木崇高主演『ミッシング』(5月17日公開)
小さな娘が行方不明に⋯⋯。夫婦を襲った冷酷な事件を、淡々、重厚、繊細に描いていく。石原さとみの熱演とともに、夫役・青木崇高ニュートラルな演技がすばらしかった。

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入江悠監督、河合優実主演『あんのこと』(6月7日公開)
母から暴力を受け、売春もさせられ、シャブを常用⋯⋯そんな十代の少女を河合優実が演じた。抑制的な演技。やりすぎない「勘」のよさ。この若い女優に魅せられてしまった。

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 ◯近浦啓監督、藤竜也森山未來主演『大いなる不在』(7月12日公開)
ひさしぶりに会った父の様子がおかしい。愛する人に暴力をふるう。ありえないことだ。認知症に侵食される恐怖。この映画、わたしにはひと事でない。いつ自分が、映画の「父」になってもおかしくない。森山未來藤竜也の自然な演技が心に染みる。

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◯山中揺子監督、河合優実主演『ナミビアの砂漠』(9月6日公開)
2024年、最高に印象に残った作品。いそうでいない⋯⋯人物の類型化とは真逆な「唯一の女性像」を、山中瑶子監督と河合優実の「共演」でつくりあげた。ストーリーらしいストーリーはない。観客の好みは分かれるかもしれないが、わたしは「山中・河合」のコラボ作品をもっと見たい!。

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◯奥山大史監督、池松壮亮主演『ぼくのお日様』(9月13日公開)
少年が抱く少女への憧れを、寡黙な美しい映像で描いた作品。「詩情豊かに」という表現は、この映画にこそ使いたい。ラスト・シーンの感動に、からだが震えた。

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◯呉美保監督、吉沢亮主演『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(9月20日公開)。
聞こえない母と、聞こえる息子。子供の頃は、母が恥ずかしかった。でもいま⋯⋯。息子の母への反発と愛情を描いた作品。母役の忍足亜希子(おしだり・あきこ)がいい。息子のどんなわがままも受け入れようとする母のやさしさに泣けてしまった。

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追伸:頭や感性がこわれないかぎり、いい映画と出会いたい!