4月11日㈮。
「CS眼科」(本郷三丁目)にて、12時20分より「斜視の手術」。所要時間は30分程度。術後、片目はガーゼで覆われているので、視野のバランスが悪い。
同行してもらったSさんに補助してもらいながら、丸の内線、東武東上線と乗り換え、自宅に帰る。
4月12日㈯。
手術後1日目。術後の診断を受けに昨日に続き本郷三丁目の「CS眼科」へいく。手術後の経過としては順調である、とのこと。しかし、まだ人や物が2つに見えたりするので、ときどきSさんに腕をつかむなりして介添えしてもらう。
それでも昨日よりは状態がいいので、丸の内線の「後楽園」まで、ひと駅をゆっくり歩く。
途中、東京ドームの周辺にあるベンチにすわり、この前ここへ来たのはいつだろうか、と考える。
実は考えなくてもわかっている(笑)。
2018年の「ポール・マッカートニー・コンサート」だ。
コンサート前に、水道橋駅の居酒屋で「来日バンザイ!」の祝杯をあげた。それぞれ座席は別だったが、そのなかに「つるひめさん」もいた。
視野が限定されるので疲れる。東武東上線に乗ってから、Sさんもわたしも少し眠った。
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『ベイビーガール』のニコール・キッドマン(左)。
手術の前日(4月10日)。
天気がよかったので、「TOHOシネマズ池袋」へ、ニコール・キッドマン主演の『ベイビーガール』(ハリナ・ライン監督)を見にいく。久しぶりの東京ひとり歩き。映画の時間まで公園でぼんやりする。
ニコール・キッドマンが主演を務め、すべてを手に入れたはずの女性CEOが満たされない欲望をインターンの青年に暴かれていく姿をスリリングに描いたエロティックスリラー。
(「映画.com」より)
(注:「CEO」=最高経営責任者)
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ハイクラスのキャリアウーマンが、部下の若い青年との関係に溺れ、理性のコントロールを失っていく、というシンプルな物語。
恋愛もしくは欲望が、上司と部下の関係を、逆転させる。
男性が皿に注いだミルクを、キッドマンが犬のように這っていって舐める──そんな倒錯的なシーンが、この映画を象徴する。
キッドマン演じる女性は、屈辱的な状況に置かれることで、意識下の欲望を引き出される。
以前見たエイドリアン・ライン監督、ダイアン・レイン主演の『運命の女』(2003年)は、平和な家庭の専業主婦が若い男に夢中になり、理性をコントロールできなくなる、という映画だった。それを思い出す。
このときのダイアン・レインはきれいだった。
しかし、『ベイビーガール』のニコール・キッドマンは、どうだろうか(現在キッドマンの実年齢は57歳)。
往年の美人女優を知るものにはドキッとするような醜い素顔や、弾力を失った裸体もあえてみせる。
キッドマンは「すべてをさらけだした」とインタビューに答えているけれど、それが誇張でないことが映画を見てなっとくする。
わたしは、映画のストーリーよりも、ニコール・キッドマンの「役者としての覚悟」に感銘を受けた。