6月14日(土)。
Sさんの運転で「ウニクス南古谷」へ、李相日(りさんいる)監督の映画『国宝』を見にいく。
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任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
(「映画.com」より)
歌舞伎のことは知識がない。実際に見にいったこともない。なので、わたしは映画的視点でしか見ることができなかった。
全編力のはいった重厚な作品。
歌舞伎は家系(血筋)が重要とされる。映画『国宝』では、その血筋を継承する少年と、血筋はないが名門の当主・花井半四郎から非凡な才能を認められた少年──ふたりの生涯が対比的に描かれる。
李相日監督のこれまで見た作品。
どれも重厚な問題作。
今回の『国宝』も3時間の大作。長い。
歌舞伎の題材だから、歌舞伎が好きな人ももちろん見にくるだろう。
よくやっている、と見るか。細部に不満を感じるか。歌舞伎ファンの目にはどう映るのかちょっと聞いてみたい。
それと『国宝』には、わたしの好きな若手俳優が出演している。吉沢亮と横浜流星。
長い歌舞伎のシーン。吉沢亮と横浜流星が、ひとつひとつの所作をしっかりキメていく。華麗で、美しい。
俳優というのはたいへんな仕事だ、とおもう。彼らはどれほど歌舞伎を研究し、練習を重ねたのか。
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ただ3時間は長かった。いまの長時間映画は、昔のように、途中で「休憩タイム」をはさまない。
終盤になるとトイレの我慢が限界になる。本編が終わると、わたしはエンドロールの字幕も見ずにトイレへ走った。