かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

余白の多い映像、自然な演出〜映画『ルノワール』を見る。

映画『ルノワール』。

 

6月21日(土)。

朝8時30分から「南古谷病院」。1ヶ月に1回の定期診断を受けている。血液検査と尿検査の数値はとくに問題なし。薬の量は先月と同じ。

 

 

的場(川越市)に住んでいるreiko(娘)たちと「ウニクス南古谷」の映画館で待ち合わせている。双子のユーカ、ミーミも一緒に。

 

 

娘たちはリロ&スティッチという映画。Sさんとわたしは早川千絵監督『ルノワールを見るため。映画のスタート時間はどちらも10時50分。

 

 

わたしが映画館の向かいにあるコーヒー・ショップで本を読んでいたら、バタバタと音をたててミーミ、ユーカ、reikoの順で中へ入ってきた。3人とも野球帽(?)をかぶっている。

 

 

「ババは?」とミーミ。

「きみたちが着いたからって、先に映画館へ行ったよ」

「じゃあ、(そっちに)いくか」とユーカ。

孫にはジジより断然ババが人気。

 

 

「ジジはどうする?」とreiko。

「先行っていいよ。あとから行く」

 

 

遅れて映画館へ行ってみると、飲み物とポップコーンを持ってユーカとミーミが立っていた。reikoがわたしに気がついて「こっちだよ」というふうに手をあげた。

 

 

 

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マイペースで想像力豊かなフキ(11歳)が空想にふけりながらも、周囲の大人たちの人生に触れていく様子を通して、人生のままならなさや人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアをもって描く。

 

 

(「映画.com」より)

 

 

映画は淡々としたすべり出し。

 

 

わたしはこの頃、寝るのが午前2時くらいの習慣になっている。きょうは朝8時半から病院があった。早起きしたので、寝不足ぎみ。

 

 

ウトウトして、2回Sさんに起こされた。

 

 

なので、河合優の出演シーンは、半睡状態だった。彼女は最初の方だけで、あとは出てこないし。残念!

 

 

しかし、眠気が覚めてくると、映画の中へ気持ちが集注していった。

 

 

フキという11歳の少女(鈴木唯)、彼女のお父さん(リリー・フランキー)。石田ひかり演じるお母さん──その3人が映画の中心。

 

フキはおかしな子だ。自分をみなし子にして作文を書いたりして「よく書けていますけど、内容がちょっと……」と担任の先生を心配させる。

 

 

フキの周辺に生きる大人たちもなにかと問題をかかえている。

 

 

 

父と母の関係もしっくりいってない。父は入院しているが、病状は芳しくない。

 

両親の諍いが少女になんらかのストレスを与えているのは明らか。だけどそれ以上のドラマティックな展開にはならない。

 

 

シーンとシーンのあいだに余白がある。余白の解釈は観客にゆだねられる。

 

 

フキは、ときどき出会い系サイトに電話している。恋人を探しているようには見えない。出会い系サイトへの電話は、ストレスの解消か、たんなる好奇心か。

 

 

しかし実際にあやしい男に誘われ、フキはその場所に出向く。危険な目にあうが、偶然回避する。

 

しかし、それで「危険な遊び」を本人がそれと認識したかどうか──少女の内面は描かれない。解釈はわたしたちにゆだねられている。

 

 

はじめにちょっと寝てしまったわりにはこの映画おもしろかった。主人公のフキを演じた鈴木唯は、表情や動きがとても自然に見える。監督は子どもにへんな芝居をさせていない。

 

 

母親を演じた石田ひかりは不機嫌だったりイライラしたりする場面もあるが、それ以上悪い母というわけではない。

 

 

どの母だって機嫌の悪いときもいいときもある。石田ひかりも自然な母親を演じていた。

 

 

映画『ルノワール』は、演出が自然で、余白をたのしめる映画だった。

 

 

 

 

娘たちとはフードコートで、あわただしく食事する。パンやうどん、わたしはインドカレー。みんなそれぞれのメニュー。やっぱり落ち着かない。ビールもないし。

 

 

双子のおとうさんからreikoに電話。クルマの定期点検を終えて家に帰った。昼飯自分で食べるからゆっくりしてきていいよ。

 

 

ショッピングモールの「保護猫」のケースを見たりしたあと、Sさんの運転で的場まで娘たちを送った。