6月25日(水)。
Sさんの運転で「ウニクス南古谷」へ、関根光才監督の『フロントライン』を見にいく。
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いをオリジナル脚本で描いたドラマ。
(「映画.com」から)
大作ではあっても大味ではなかった。
この手の、だれもが知る実話を再現した映画やドラマは、たいてい会話は表層的で(ストーリー優先。会話はその進行のためにあるような薄っぺらさ)、「人物の描き方」は類型的な場合が多い。
でも映画『フロントライン』はちがった。むしろ会話がストーリーを引っ張っていくような強さ、中身の濃さがあった。
小栗旬、窪塚洋介、池松壮亮、松坂桃李など──出演者の緊迫した対話のぶつかりあいに息を呑む。
「ディスカッション映画」といってもいいかもしれない。
演技派俳優がたくさん出ているけれど、ただの寄せ集めではない。それぞれが随所に生きて活躍している。
映画『フロントライン』は、その場に居あわせたような、濃密な臨場感を味わえる作品だった。