
11月5日水曜日。
仕事へいくSさんに川越駅で下ろしてもらい、「シネ・リーブル池袋」へ台湾映画『ひとつの机、ふたつの制服』を見にいく。
「シネ・リーブル池袋」は、2026年1月31日土曜日で閉館になるという。
雨の日でも池袋駅から傘なしで行けるという便利さと、地元のシネマコンプレックス(シネコン)ではやってくれない作品を上映してくれるので重宝していた。映画館の閉館は映画好きにはさびしい。
早く着いたので、7階の「スターバックス」でコーヒーを飲みながら、朝井まかての『眩(くらら)』を読了する。北斎の娘で、女性の浮世絵師・葛飾応為(かつしかおおい)を描いたもの。
先日見た映画、大森立嗣(おおもり・たつし)監督の『おーい、応為(おうい)』の余波が続いている。
朝井まかては、最初に読んだ『恋歌(れんか)』が力作だった。樋口一葉の歌の師匠として知られる中島歌子の生涯を描いた伝記小説。幕末の動乱を生き抜いたひとりの女性が彫りの深い筆致で描かれ、感動した。

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『ひとつの机、ふたつの制服』(予告編)
1990年代の台北を舞台に、高校の夜間部と全日制でひとつの机を共有する2人の女子生徒の友情と成長を描いた青春ドラマ。
受験に失敗した小愛(シャオアイ)は、母親の強引な勧めで名門校「第一女子高校」の夜間部に進学する。コンプレックスを抱えながら通う中、全日制と同じ教室と机を使うため、成績優秀な全日制の敏敏(ミンミン)と机に手紙を入れて交流する「机友(きゆう)」となる。夜間部と全日制では制服は同じだが、胸の刺繍の色が違う。小愛は敏敏に制服交換を提案され、ふたりは行動をともにするようになるが、やがて同じ男子校生に恋心を抱いていることに気づく。
(「映画.com」から)
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夜間部と全日制の「違い」から起こる、主人公・小愛(シャオアイ)のコンプレックスが物語の土台になっている。
受験の失敗にそれほど心を傷めなければならないのか──若者に、コンプレックスやその裏返しの優越意識を植え付ける「受験制度」に、苛立ちを感じつつ見た。
しかし、夜間部と全日制の違いを超えて友情を育む小愛(シャオアイ)と敏敏(ミンミン)が可憐で清々しい。二人に厚意をもってしまう。
「受験制度」よりも人間にとって大事なものがあることを、大声でなく教えてくれる。
青春映画で、若者が叫んだり泣き喚いたりするのはいやだけれど、そういう安価な感動の押し付けがないので、見たあとの感触は爽やか──小愛(シャオアイ)と敏敏(ミンミン)を演じた二人の少女(女優)を好きになってしまった。