
4月8日(水曜日)。
川越駅でSさんに下ろしてもらい、「ポレポレ東中野」へ、ハ・ミョンミ監督の韓国映画『済州島四・三事件ヨハン』を見にいく。
早く着いたので、1階の喫茶室で、読みかけの山田風太郎著『妖説太閤記(上)』を読む。
山田風太郎は、忍者ものの小説が多いので、信長・秀吉の時代に忍者が暗躍する小説なのかと予想していたら、案外、まともに歴史上の「事実?」にのっとって書いているように感じられた。
豊臣秀吉のお市(信長の妹)様への憧れと欲望が、「上巻」を貫いていて、「手の届かない一人の高貴な女性を、どう自分の手中に入れるか画策していく」──という秀吉の野心が中心に描かれている。上下巻を合わせると、かなり分厚い本のようだ(Kindle版では、読み終える目安が13時間42分となっている)。
お市を娶った浅井長政(あざい・ながまさ)の裏切りを誘導して破滅させたのも、明智光秀が織田信長に謀叛を起こしたのも、その後、備中高松城(岡山県)の水攻めのさなかに、秀吉が驚くべき速さで京都へ引き返すことができたのも、「賤ヶ岳(しずがたけ)の戦い」で柴田勝家を打ち滅ぼしたのも──すべて豊臣秀吉が、お市様を自分のものにするため、竹中半兵衛とともに企んだ壮大な仕掛けだった、という解釈だ。
その論理は、小説の細部まで一貫していて、「なるほどなるほど」と思えるので、一つの解釈として、おもしろかった。
もうすぐ「下巻」にはいる。
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【予告編】
【解説】
3万人近くが犠牲になったとされる無差別虐殺が行われながらも長きにわたり隠ぺいされ続けてきた「済州島四・三事件」を題材に、理不尽な暴力に追い詰められながらも必死に生き抜こうとする母娘の逃避行を描いたドラマ。
1948年4月3日、外国勢力による干渉に反発した済州島の一部島民が武装蜂起したことに端を発した「済州島四・三事件」。同年10月より、政府は海岸線から5キロ以上離れた地域を「敵性区域」とみなし、「出入りする者は無条件に射殺する」という布告文を発令した。(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/105547/
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この映画では、「3万人近くが犠牲になったとされる無差別虐殺」──という規模の大きさは感じられない、というか、描かれていない。
政府軍の、島民殺戮が、あまりにもあっけなく実行される。島民を、ろくに審議もなく殺してしまう。
「済州島四・三事件」について、「大量虐殺があった」、「その事件は長い間、隠蔽されてきた」──その程度しか知らなかった。きっかけになった詳しい国際情勢などは、いまだに理解していない。
政府軍に追われ、逃げる母と娘を中心に、物語がすすむ。母娘の逃避行は、スリリングで、フィクション劇としても見応えがある。
だから、わたしのように、実際に起こった「済州島四・三事件」の背景を知らないと、物語として楽しめてしまう。が、映画のとっかかりとしては、それでいいのかもしれない⋯⋯。


島民たちが追い詰められていく様子を見るのはつらい。逃げ切れず、審議もされず、「暴徒」として射殺されてしまう。
虐殺の実態を、後世に残さないための「口封じ」である。
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政府の軍隊が、民間人に向けて発砲する──って最悪の事態だが、日本の近・現代史ではどうだったろうか。
わたしが連想できたのは、三上智恵、大矢英代(おおや・はなよ)共同監督のドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』(2018年公開)。

アメリカ軍の沖縄上陸がすすむにつれて、沖縄に派遣された「陸軍中野学校」出身のエリート工作員たちは、島民に、島の奥へ奥へと道案内をさせる。
そのあとで、家へは帰さず、後から来るアメリカ兵への情報漏洩を防ぐため、「スパイ容疑」で口封じをする──。
沖縄の人たちが言う「軍隊は住民を守ってくれない」という言葉を、この映画『済州島四・三事件ヨハン』でも思い出した。
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帰りは、新宿から上尾にまわり、仕事が終わったSさんと上尾駅で合流する。
「丸山公園の枝垂れ桜がきれいだと思うから」とSさんに誘われ、クルマでいってみたが、すっかり時期が過ぎていた(笑)。