かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

靖国神社を散歩する

朝、近くまで来たので、靖国神社の境内を散歩しました。信仰はないので、参拝ではありません(笑)。

しかし、、、

20代のころ、戦争に関する本をまとめて読み、自分と同じ年齢の青年たちが戦場に行かなければならなかった、その思いをかみしめてたまらないおもいになりました。そのころ、はじめて意識して自分から靖国神社へ足を向けました。

靖国神社へ行くと、戦没者が家族宛に残した遺書が、常時、月ごとに掲示されています。死の前日(あるいは数日前)に書かれた両親や兄弟への遺書は、今読んでも心をゆさぶられます。彼らは、検閲の制限のなかで、文章の余白の裏に、万感の想いをこめて、最後の言葉を残したんですね。

2005年10月‥‥この日の掲示板にあったのは、以下のものです。

「父上様はじめご一同様」
                   海軍少尉 曽我部譲命


(前略)

戦局益々切迫したる折柄不肖私も敢然立ってお国のために働くべき時が来ました。
生まれてこの方二十二年今日ほど感激したことはありません。血湧き肉躍るという言葉は、私達のために作られたやうなものです。
(中略)
一度離陸すれば必ずかへって来ない事はわかっていても、幾多の同僚はみんな「ニッコリ」笑って散って行きました。私もみんなに続いて立派に散ります。
もう一度家へかへりたいと思うこともありましたが今更そんなことは考へません。
(中略)
ただ一撃必中あるのみです。私達には死生観とかそんなものはありません。ただ国のために死ねることを最大の光栄として居ります。
戦果は発表されるかどうかわかりませんが、必ず大きな手柄を立てたものと思って下さい。 では達者でお暮し下さい。


神風特別攻撃隊
第二次流星隊
昭和二十年八月九日
本州東南方海面にて戦死
愛媛県出身 二十一歳

               (靖国神社社務所 平成十七年十月 拝殿・社頭掲示