かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

木下恵介監督『お嬢さん乾杯!』(1949年)

お金持ちの自動車修理業者(佐野周二)に持ち込まれた縁談の相手が、没落華族のお嬢さん(原節子)。 佐野周二は、縁談の目的は、お金がめあてとは知りつつ、<お嬢さん>に、雷に撃たれたように<ひと目惚れ>してしまう。 二人はデートしても、育ちや慣習…

ルー・リード&ジョン・ケイル『ソング・フォー・ドレラ』(1990年)

元ヴェルベット・アンダーグランドのメンバー、ルー・リードとジョン・ケイルが、アンディ・ウォーホールを追悼して製作したアルバム。とてもふしぎな響きをもっていて、これはたしかに元ヴェルベットの二人がつくった音楽だなあ、とはおもうけど、類似した…

せんぼんよしこ監督『赤い鯨と白い蛇』(2006年)

脚本:富川元文 音楽:山口岩男 出演:香川京子、浅田美代子、樹木希林、宮地真緒、坂野真理 海辺の町の古い民家に集った、世代も生き方も全く異なる5人の女性たちの出会いと別れに焦点を当て、それぞれの心の変化を丹念に描き出す。キャストには香川京子、…

清水宏監督『有りがたうさん』(1936年)

原作:川端康成 脚色:清水宏 出演:上原謙、桑野通子ほか 南伊豆の山あいを走る乗合バス。<有りがたうさん>(上原謙)は、バスの運転手だ。道を歩く人、荷車や馬車をひく人が、バスに道を譲ってくれると、窓から「有りがたう!」と声をかけて過ぎていく。…

「若き日の黒澤明」特集と淀川長治が語る黒澤明

ringoさんから、番組を収録したDVDをお借りして見ました。 以前黒澤明の自伝『蝦蟇の油』を読んだことがありますが、この「若き日の黒澤明」は、その自伝に沿って、黒澤明の生い立ちと歩みを追ったもの。1991年に放送したものなので、見たような気もしますが…

小栗康平監督『埋もれ木』(2005年)

脚本:小栗康平、佐々木伯 撮影:寺沼範雄 美術:横尾嘉良、竹内公一 出演:夏蓮、浅野忠信ほか 「泥の河」「死の棘」の小栗康平監督が、前作「眠る男」以来9年ぶりに発表する新作。山あいの小さな町の日常が静かに綴られるファンタジックな人間ドラマ。 (「…

新藤兼人監督『人間』(1962年)

原作:野上彌生子 脚本:新藤兼人 出演:殿山泰司(亀五郎)、佐藤慶(八蔵)、乙羽信子(五郎助)、山本圭(三吉) 亀五郎を船長とする小さな荷役船「海神丸」は、2日分の食糧を積んで出発したが、竜巻に襲われて、遭難する。 20日が過ぎ、30日が過ぎる。助…

今井正監督『また逢う日まで』(1950年)

お金持ちの学生(岡田英次)と貧しい絵描き(久我美子)の恋愛映画。 ガラス越しのキスが有名になりました。冷たいガラスの向こうとこちらで、キスを交わすシーンは、見ていてドキドキしますが、これで相手に触れたい、という想いが果たせるのか、とおもって…

島津保次郎監督『嫁ぐ日まで』(1940年)

脚本:島津保次郎 美術:中古智 出演:原節子、矢口陽子、沢村貞子 原節子が20歳のときに出演した映画だといいます。 おとうさんが再婚。新しい母(沢村貞子)になじめない妹(矢口陽子)を案じる長女が、やがてその新しい母に、妹のことを託して、嫁ぐまで…

片岡義男『彼女が演じた役〜原節子の戦後主演作を見て考える』

以前、片岡義男の『映画の中の昭和30年代〜成瀬巳喜男が描いたあの時代と生活』を読んで、示唆されることがあったので、もう1冊片岡義男が書いた映画の本を読んでみました。 今回、片岡義男は、原節子が戦後出演した11本の映画について、小説家らしい鋭い分…

香川京子『愛すればこそ〜スクリーンの向こうから』

清楚、可憐、清潔……そんな形容が一番ぴったりはまる女優、香川京子の自伝、とおもったら、これは毎日新聞記者・勝田友巳氏の聞書きで構成された本でした。 香川京子一人称のかたちをとらずに正解だとおもいます。 もし一人称で通したら、香川京子の回想は、…

廣澤榮著『日本映画の時代』

長年東宝で助監督をつとめ著者の、映画の現場での想い出を書き留めたもの。 目次を写すと、、、 遠い波……小田原で見た戦争映画 潜望鏡……太平洋戦争末期の日本映画 東宝撮影所の1945 『七人の侍』のしごと 成瀬巳喜男のしごと 私のなかの豊田四郎 1〜3までは…

ウッディ・アレン監督『タロットカード殺人事件』(2006年)

製作国:イギリス 脚本:ウッディ・アレン 出演:スカーレット・ヨハンソン、ウッディ・アレン、ヒュー・ジャックマン 『タロットカード殺人事件』は、ウッディ・アレン監督独特のコメディ・センスが横溢する、楽しい作品でした。 ウッディ本人演じる手品師…

ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督『モロッコ』(1930年)

製作国:アメリカ 脚本:ジュールス・ファースマン 出演:ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリッヒ 「えっ、これが名作?」 たわいのない恋愛映画のようにおもえました。クーパーはハンサムですし、マレーネ・ディートリッヒは、美しいというより存在…

アニエス・ヴァルダ監督『幸福』(1964年)

製作国:フランス 出演:ジャン=クロード・ドルオ、クレール・ドルオ、マリー=フランス・ボワイエ tougyouさんとringoさんのブログで話題になっていた作品です。お二人が、一番と二番に映像と音楽の美しさをあげておられましたが、おっしゃるように、映像…

野上照代著『蜥蜴の尻っぽ』

tougyouさんに紹介されて読みました。 なんと、この本で、戦死した竹内浩三のことが話題になっているというので、まずはそれから、、、 野上照代は、伊丹万作と交流があったんですね。それも家族ぐるみで親しく。 伊丹が亡くなってから、奥さんより伊丹宛に…

新藤兼人著『三文役者の死』

殿山泰司の伝記です。以前新藤兼人監督の『三文役者』という映画について書きましたが、その原作がこの本のようです。もっとも映画も本も同じ新藤兼人ですから、どちらが先なのか、ぼくは知らないのですが。 最近殿山泰司のふしぎな魅力に気づくようになりま…

リンゴ、68歳!!(いまも、バリバリの現役です)

7月7日は、リンゴ・スターの誕生日でした。パソコンに向かえる状況になかったので、遅れての<ハッピイー・バースディ・リンゴ!>でございます。 あのビートルズの<リンゴ可愛いや、可愛いやリンゴ>も、もう68歳なんですね。相変わらず体型はスリムで、腹…

ジョン・レノンの素晴らしいライヴ!!〜『スウィート・トロント』(1969年)

ringoさんの「SWEET TORONTO」へのコメントを書いていたら長くなってしまいましたので、ブログ本文でトラックバックさせていただきます。 ★ ★ ★ ringoさんがおっしゃるように、ジョン・レノンはむかし自分が憧れて、コピーしていた伝説のロック・ミュージシ…

是枝裕和監督『歩いても 歩いても』(公開中)

人生はいつもちょっとだけ間に合わない……成人して家を離れた子供たちと老いた両親の夏の一日をたどる家族劇 「誰も知らない」の是枝裕和監督が描く、家族ドラマ。長男の15周忌で実家に集まった次男一家や両親の姿を静かにとらえ、温かだが時に厄介な家族の関…

ポール・マッカートニー「2008年リバプール」〜最新ライヴを見る!

タイシホさんのおかげで見ることができました。いまぼくが見て、ringoさんに回しております。 すごいよ、やっぱりポールは!! 先に、tougyouさんが「ヒッピー・ヒッピー・シェイク」と「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のライヴ映像を教えてくださいましたけ…

ジョン・レノン、久々のライヴで「ヤー・ブルース」を歌う!

1966年8月29日、ビートルズは、サンフランシスコのキャンドル・スティックでおこなわれた公演で、ライヴ活動を停止する。ライヴに対しては、ジョージ・ハリスン、ジョン・レノンが強く反対していたが、最後には4人共通の意思として、決定した。 ファンの突撃…

ブライアン・フェリーが歌う「煙が目にしみる」

ロキシー・ミュージックのヴォーカリスト、ブライアン・フェリーは、ロキシー・ミュージックが盛んに活動しているときから、ソロ・アルバムを並行して発表しているのですが、おもしろいのは、その内容は、ほとんどカバー・ソングでした。 どんなものをカバー…

「熱中夜話」を見ましたよ!

ringoさん、ヨシヤン、ビーテツさん、GORICOさんなど、「ビートルズ探検隊」のメンバーが複数出演するというので、楽しみにしていた「熱中夜話」が<バケツ・リレー>で回覧されてきて、やっと見ることができました。 ringoさんは、第1回目の放映では、メイ…