かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

読書

白井聡・雨宮処凜の対談『失われた30年を取り戻す』〜受け身の若葉竜也がすばらしい映画『街の上で』(今泉力哉監督)。

6月13日㈭。 昼、妻は仕事。 自宅で、白井聡(しらい・さとし)と雨宮処凜(あまみや・かりん)の対談本『失われた30年を取り戻す〜嘲笑と冷笑だけが武器!?』(Kindle版)を読む。 「国体護持」という言葉は、いま死語のようになっているが、じつは日本は…

川本三郎著『東京は遠かった〜改めて読む松本清張』〜野村芳太郎監督の映画『鬼畜』(1978年公開)。

6月14日㈮。 娘家族と的場の「くら寿司」で、夕飯を食べる。退院してはじめての外食。 「生ビール1杯くらいなら」とおもって、パネルで注文を入力している娘に頼んだら、隣りにすわっている双子のひとり「ミーミー」にギロッとにらまれたので、取り消す。 …

苦い味の映画3本〜『ありふれた教室』『関心領域』『ミッシング』(2度目)。

5月22日㈬。 午前、練馬区役所へいき、印鑑証明4通。 練馬駅から池袋駅へ出て、ルミネの8Fにあるコーヒー・ショップで、映画の時間待ち。 1時間ほど、栗原康著『大杉栄伝 永遠のアナキズム』(Kindle版)を読む。 こちらはKindle版があるけど、先に読んだ同…

芝木好子の世界を堪能!〜『群青の湖』を読む。

3月19日㈫。晴れ。 午前、芝木好子著『群青の湖』を読了。 琵琶湖のほとりにひとり嫁いできた瑞子は、旧家の重みと夫の背信から、幼い櫻子をつれて生まれ育った四谷に戻る。かつて美しい染めや織りの技を競いあった仲間にむかえられ、瑞子は群青の湖の永遠の…

映画もおもしろいが、原作も抜群!〜瀬尾まいこ『夜明けのすべて』。

2月23日〜25日のあいだ、本は瀬尾まいこの『夜明けのすべて』、映画は、フィンランドの監督、アキ・カウリスマキの旧作を4本見た(「amazonプライム」の配信)。 今回は、アキ・カウリスマキではなく、瀬尾まいこ『夜明けのすべて』を読んだ簡単な感想。 ★ …

映画『風よ、あらしよ』〜伊藤野枝、二十八歳の悔しい最期(2月17日)。

2月17日㈯。 池袋駅北口の歓楽街にある「池袋シネマ・ロサ」へ、『風よ、あらしよ 劇場版』を見にいく。 映画のなかの伊藤野枝と大杉栄。 ★ 大正時代に結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた女性解放運動家・伊藤野枝を描き、2022年にNHK BS4K・8…

川本三郎著『「男はつらいよ」を旅する』〜三宅唱監督『夜明けのすべて』。

2月13日㈫。 「イオンシネマ板橋」へ、三宅唱監督の『夜明けのすべて』を見にいく。早めに出たので、駅前の「コメダ珈琲」で、1時間ほどモーニング・コーヒー・タイム。 以前紙の本で読んだ川本三郎著『「男がつらいよ」を旅する』が電子書籍化されたので、…

予告編には、歌の訳詞が出るのに、本編に出ないのはなぜ?(ボブ・マーリーの最新映画)〜少しだけ夏川草介著『始まりの木』について。

2月10日㈯。 「新宿シネマカリテ」へ、ステファン・ポール監督の『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』を見にいく。 ★ 早く新宿へ着いたので、最近定番になっている新宿駅構内の「カレー&コーヒー」ショップで、…

村木嵐作『まいまいつぶろ』を読む〜日暮里の飲み会(1月27日)。

1月27日㈯。 午前、アパート近くの「コメダ珈琲」で、村木嵐の『まいまいつぶろ』(キンドル版)を読む。 以下、キンドル版の書籍案内。 口は回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」…

夏目漱石『それから』から感じたこと〜映画『コット、はじまりの夏』は、「反家族主義?」(2月2日)。

2月2日㈮。晴れ。 「新宿シネマカリテ」へ、コルム・バレード監督『コット、はじまりの夏』を見にいく。 ★ 早めに着いたので、新宿駅構内の「カレー&コーヒー」ショップで、1時間くらい読書。夏目漱石の『それから』(青空文庫)を読了。 10代後半に読んだ…

映画化された『それから』(夏目漱石原作)。

2023年の末、偶然You Tubeのなかに、森田芳光監督の映画『それから』(夏目漱石原作)を見つけた。予告編ではなく、全編。テレビにつないで、妻と見た。 わたしは、この映画を何度も見ている。映画館でも2回見たし、そのあとも、レンタル・ビデオで複数回見…

奥田英朗の小説『サウスバウンド』の話が長くなったので・・・(11月22日)。

2007年、映画化された『サウスバウンド』(森田芳光監督、出演:豊川悦司、天海祐希など)。 11月22日㈬。晴れ。 ひさしぶり「ポレポレ東中野」へ、映画『NO選挙、NO LIFE』を見にいく。前回映画館のある側と反対口に降りたので、今回は注意して東中野駅西口…

ライブ映画『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル』〜吉祥寺・井の頭公園を歩く〜少しだけ伊藤野枝(10月31日)。

10月31日㈫、曇。 「アップリンク吉祥寺」へ映画『クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラベリン・バンド』を見にいく。吉祥寺はひさしぶりだった。 (帰ってブログを検索したら、10年前の2013年11月30日に、紅葉を見にきている。こういうとき…

スウィフトが『ガリバー旅行記』で描いた人間への嫌悪!〜「ガザ侵攻やめろ!!」(山本太郎の街宣)

『ガリバー旅行記』第4編「馬の国」(ウィキペディアより)。 「戦争やめろ!」いまもこのシンプルな呼びかけをやらなければならないなんて、なんてなさけないことか。 むかし、わたしの知人が、「もう大きな戦争は起こらないよ」といったとき、「ほんとなら…

映画『高野豆腐店の春』と尾道の風景。

8月23日㈬。炎暑。 午前、駅前の「コメダ珈琲」で、ホット・コーヒーとトーストのモーニング。『ポール・マッカートニー ザ・ライフ』を読む。だいぶ進んだ。 1970年代、ウイングスの絶頂期(しかし、バンドのメンバーがたえず入れ代わる)から、日本の大麻…

Tさんと我孫子の「白樺文学館」へいく(志賀直哉、里見弴、武者小路実篤のこと)。

我孫子駅西口にある写真。後列中央左から武者小路実篤、柳宗悦、志賀直哉。 6月21日㈬、曇り。 「上野駅公園口」で、Tさんと待ち合わせ。いつも時間より早く来るひとなので、わたしも早めにいったら、もう来ていた。 今回は、我孫子の「白樺文学館」で、「…

酒と昼寝のゴールデンウィーク〜「小津安二郎と山中貞雄のこと」(4月29日)

左小津安二郎、右山中貞雄。 「1938年1月12日、山中のもとを小津が訪ねて来た。2人はわずか30分の面会時間でたくさん語り合い、日本映画監督協会宛てに『南京で会ってお互いの無事を喜んでおります 小津安二郎』『悪運の強いのが生き残っています 山中貞雄』…

反戦を「俳句・川柳」で訴えた!〜渡辺白泉と鶴彬(つる・あきら)。

「 渡辺白泉(1913年ー1969年) 「戦争が廊下の奥に立っていた」(1939年=昭和14年) 日中戦争のころの句。国民のなかに、まだ戦争への意識は薄かった。忍び寄る不気味な戦争の影。 今の社会状況を詠んだ句だーーといわれてもなっとくしてしまいそうではあ…

ボブ・ディラン「戦争の親玉」〜 積み残しの映画『アラビアンナイト 三千年の願い』。

アコスティック・ギターとハーモニカで、プロテスト・ソングを歌っていたころのボブ・ディラン。 北中正和氏の『ボブ・ディラン』を読みはじめました。ボブ・ディランのことを考えたり、音楽を聴いたりするよい刺激になっています。 ボブ・ディラン(新潮新…

西武園ゆうえんち(昭和の商店街) 〜 村山由佳『放蕩記』(3月5日)。

怖かった「夕陽館」の「ゴジラ・ザ・ライド」。 3月3日は妻の誕生日。娘の家へ夕飯に呼ばれて、双子たちとケーキを食べてきたらしい。そこで、3月5日にみんなで「西武園ゆうえんち」へ行くことを決めてきた。 3月5日㈰。曇り時々晴れ。 6人乗りのクル…

実篤が実践したユートピアの昔と今〜南邦和著『実篤、夢の共鳴(レゾナンス)ーー100年目の理想郷(ユートピア)』を読む。

実篤、夢の共鳴(レゾナンス)――100年目の理想郷(ユートピア):「新しき村」と武者小路文学の地平(22世紀アート)作者:南 邦和22世紀アートAmazon ーーこの道より我を生かす道なしこの道を歩くーー それが新しき村/人間の誠意が生きる処/人間の真…

「つげ義春と調布」展を見にいく(1月18日)。

1月18日㈬。晴れ。 Tさんと調布で待ち合わせ、「つげ義春と調布」展を見にいく。 もともとひとりで行くつもりでいたけれど、別件でTさんから電話があり、「調布へ『つげ義春展』を見にいく」と話したら「いっしょに行く」といってくれた。 Tさんが住んでいる…

三鷹の禅林寺へ太宰治のお墓参り(12月7日)。

太宰治。「家庭の幸福は諸悪の根源?」。 山崎ナオコーラ著『文豪お墓まいり記』という本を読んでいたら、三鷹の禅林寺へ太宰治のお墓参りへいったことが書いてあった。 次に散歩をするときに、わたしも三鷹へいってみようとおもっていた。 ★ 12月7日㈬。 …

松村雄策著『僕の樹には誰もいない』を読む。(追記、松村雄策と小林信彦のビートルズ論争について)

みほーさんから、ブログのコメントで「松村さんの本が出ましたね」と教えてもらった。で、さっそくAmazonから取り寄せて読む(Kindle版がなく、久しぶりメガネをして紙の本で)。 雑誌「ロッキングオン」に連載したものなので、半分以上は読んだ記憶がある。…

ブレイディみかこ著『ワールドサイドをほっつき歩け』からの抜き書き。

★ ブレイディみかこ著『ワイルドをほっつき歩け』のなかに、イギリスでも新自由主義が進んで、国民が医療制度の問題で苦しんでいる‥‥そんな話が出てくる。 「緊縮財政」で、政府が国民におカネを出さない。そのしわよせが、医療制度にも反映されている。 以…

「昭和のアパート」に迷い込んだ犬(『犬がいた季節』を読んで思い出したこと)。

わたしが出会った犬は、こんなにハンサムではなかったかも(フリー素材を拝借)。 伊吹有喜著『犬がいた季節』。 はじめに、つるひめさんが紹介してくれて、次にそれを読んだよんばばさんが、感想をブログにアップしてくれた。 tsuruhime-beat.hatenablog.co…

『自民党の改憲草案で憲法はどう変わる?』

増補版 赤ペンチェック 自民党憲法改正草案作者:伊藤 真大月書店Amazonこれは以前わたしが読んだ本。 お盆休みにむかしの知人から「●●ちゃんは、憲法改正をどうおもってる? ぼくはどちらかというと賛成なんだけど」というメールをもらって、びっくりした。 …

ブレイディみかこ著『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー①②』を読む。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)作者:ブレイディみかこ新潮社Amazon ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2作者:ブレイディ みかこ新潮社Amazon おもしろいので、①と②を続けて読んだ。 アイルランド人の夫と結婚したみかこ…

森井勇佑監督『こちらあみ子』 〜 鮫島浩著『朝日新聞政治部』(7月27日)。

映画『こちらあみ子』。 7月27日(水)、快晴。暑い。 久しぶり新宿駅東口の地下にある「ベルク」へ寄る。カレーとコーヒーのセット。 「新宿武蔵野館」は、新宿駅から地下を通って直通で行けるので、こういう暑い日は助かる。 水曜日は「サービスデイ」。映…

祝・つげ義春の新刊『つげ義春 名作原画とフランス紀行』。

じつはまだ参議院選挙中の話。 Rさんから、 「つげ義春の本が出たの知ってますか?」という連絡をもらった。 「何、知らない!!」 つげ義春の本は新しく出る、といっても、過去出たものを表紙を変えたりして、新しい本のように出版されることがある。わたし…