かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2009-01-01から1年間の記事一覧

西川美和監督『女神のかかと』(2005年)

5人の監督が女性をテーマにして描いたオムニバス映画『female』の一編。 ★ 小学生の男の子が強く惹かれるのは、同級生の仲良しの女の子ではなく、その子の母(大塚寧々)である、という設定がまずおもしろい。 家に行き、仲良しの女の子に勉強を教えていても…

小谷野 敦著『里見弴伝ーー「馬鹿正直」の人生』

里見弴のはじめての評伝が出たと知り、早速図書館へリクエストした。おもしろければ、買ってもいいのだが、安くはないので、まずは借りて読んでみたい。 「馬鹿正直の人生」という副タイトルが、いいとおもう(笑)。この馬鹿正直さは、本多秋五が「志賀直哉…

本多秋五著『志賀直哉上下』(岩波新書)について、もう少し。

この本、以前読んだときより、今回冷静によくわかり、おもしろかった。こちら側が、前(40代だったか?)よりも、年齢を経たからかもしれない。 『志賀直哉』の下巻では、「和解」の詳細の読み解きがおこなわれ、こちらの理解も深められる。本多秋五のこの本…

本多秋五著『志賀直哉上下』(岩波新書)

1990年に発行されたこの本を再読。 大量の草稿、未定稿を丹念に読みこんでの作家論で、深く鋭い。 本多秋五の志賀直哉論が信頼できるのは、対象を、自説に強行に引き込むことをせず、作家の側に寄り添うようにして、ていねいに論評していることだろうか。論…

アリ・フォルマン監督『戦場でワルツを』(上映中)

アニメーション映画はまったく見ないので、これは1968年のビートルズを素材にした映画『イエロー・サブマリン』以来のアニメ体験ということになりそうです。 この映画は、見たいとおもっていました。 ★ 2006年のイスラエル。 戦争体験の記憶が、ある部分欠落…

1968年、ローリング・ストーンズ健在なり!

ビートルズの『サージェント・ペパーズ』の高い評価や、フラワームーブメントの大きなうねりに押されたのか、ストーンズほどのバンドでも、彼らの音楽の基盤が、あやうくみえた時代があった。 しかし、1968年ストーンズのシングル「ジャンピン・ジャック・フ…

市川崑監督『かあちゃん』(2001年)

家人がDVDを借りてきていたので、いっしょに見る。 山本周五郎原作の、長屋もの人情話だった。 結論からいえば、これは映画よりも、落語で笑いをまじえながら聞きたい話だ、とおもう。 貧乏ながら人情の厚い<かあちゃん>(岸恵子)をめぐる、どこまでも善…

市川崑監督『野火』(1959年)

舞台は、比島戦線、レイテ島。 体が弱り、所属部隊からは追い出され、しかし、病院からは受け入れてもらえない田村一等兵(船越英二 )は、どこへもいくところがなくて、山中をさまよう。 あてもなく歩く田村は、壊滅状態にあるほかの日本兵とあい、いっしょ…

JUN LEMONさん主催の「Tea party」に参加する(11月29日)

開催は5回目ということですが、わたしが参加したのは、3回目、4回目、5回目で、3回にわたって、ビートルズについて、改めていい勉強をさせてもらいました。 しかし、わたしがもっとも感銘を受けたのは、主催者JUN LEMONさんのビートルズへの深い愛情でした。…

高峰秀子著『にんげん蚤の市』(1997年)/『にんげんのおへそ』(2004年)

読んだのもしばらく前で、本ももう図書館に返してしまったので、簡単な感想のメモだけ。 この名女優の抜群の文才は、すでに『わたしの渡世日記』で体験ずみ。はじめて読んだとき、おどろいてしまった。 そして、この比較的最近(本が出た当時のだけど)の身…

ポール・マッカートニー・ライブ『Good Evening New York City』

2009年のポール・マッカートニーの最新ライブ。わたしの買ったのは、CD2枚+DVD1枚の通常版。CD2枚にはライブで演奏された33曲が全部収録されていて、さらにDVDにはそれを演奏しているライブ映像が収録されている、これで定価3800円(Amazonでは、3118円)と…

また、ジョン・レノンを失った12月8日がやってくる・・・

ジョン・レノンが射殺されたのは、1980年12月8日。日本時間でいえば、12月9日。 第1報は、知人の電話で「ラジオを聞いているんだけど、ジョン・レノンが撃たれたみたいよ」。 あわてて職場のラジオをかけてみる。少しして、職場のとなりにある電器屋へいってみ…

市川準監督『トキワ荘の青春』(1996年)

今から40年ほど前、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄ら、多くの明日を夢見る若いマンガ家たちが青春時代を過ごした実在のアパート“トキワ荘”での彼らの物語を、史実に基づいて描いたフィクション。 (「goo映画」の解説から) 次々売れて成功していくなか…

外苑のイチョウ並木(11月24日〜25日)

外苑のイチョウ並木も毎年季節になると寄ってみる。 11月24日、朝の仕事を終えてから、いってみた。絵画館前のイチョウが、みごとに黄葉していた。 クルマを有料駐車場へあずけ、イチョウ並木の下を歩く。 黄葉を楽しんだ後、空腹だったので、ずらっと並んだ…

新座市・平林寺の紅葉(11月23日)

ふと思い立ち、埼玉県では古くから知られる紅葉の名所、平林寺へいってみる。 東武東上線の志木駅から西武バスで15分ほど。クルマが混んでいたので、バスが進まず、ひとつ手前の停留所で降りて歩く。 平林寺は紅の色彩があざやかだった。 ★ ★ 1時間くらい境…

まとめてコメントさせていただきます!

■[日本映画]山中貞雄監督『丹下左膳余話 百万両の壺』(1935年) ●tougyouさん:beatleさんが仰るように、シーンとシーンのつなぎの見事さテンポのよさは快感ですね。 ◆beatle:本当に快感でした。なんと巧みな場面の展開でしょうか。シーンの間を、斬新に利用…

コメントの御返事、少し待ってください!

tougyouさん、jinkan_mizuhoさん、コメントありがとうございます。いつも、ブログを訪問くださって、本当に感謝です。 早く御返事したいと思いながら、この3連休仕事のあいまがあると、外へ出ていて、ゆっくりパソコンに向かう時間がありません。少し落ち着…

THE BEATBOXのライヴを見る(11月21日)

細かく書いている時間がないので、事実の表記のみ。 ビートルズ探険隊のみなさんと一緒に、うわさのTHE BEATBOXのライヴを見る。 会場は、トイレにいくのも大変なほど満員盛況だったが、探険隊は3つのテーブルを、THE BEATBOXのNackeyさんが確保してくださ…

山中貞雄監督『丹下左膳余話 百万両の壺』(1935年)

tougyouさんのブログに刺激を受けて、この映画4度目を、また見てしまった。 小学校のころ、大友柳太郎の丹下左膳は何本か見ていて、それなりにファンだったけど、その後左膳のことはすっかり忘れていた。 それが、山中貞雄監督の左膳で、再び、片目片腕の男…

清水宏監督『簪(かんざし)』(1941年)

小津安二郎や溝口健二という名立たる名匠をして“天才”と言わしめた清水宏監督の「簪(かんざし)」が遂にDVD化。東京から温泉場にひとりやってきた恵美。風呂場で彼女が落とした簪がきっかけで巻き起こる、温泉場の滞在客の人間模様を綴った珠玉の一篇。 (「g…

鳥居観音と紅葉(11月8日)

今年はじめての紅葉を見に、飯能市名栗にある鳥居観音へいく。 川越からクルマで大体1時間ほど。名栗周辺は、低い山が続く。少し木々が色づいた景観を眺めながら、長く続く川沿いを走るのは楽しかった。 早めに家を出たので、予定通りに着く。 山上にそびえ…

若松節朗監督『沈まぬ太陽』(上映中)

上映時間、3時間22分というので、仕事明けの眠い日にいっても通して見られないだろうと、あらかじめ睡眠をとってから、見にいく。途中で10分の休憩いり。 しかし、長さは感じさせない。こういう大作は、大味になったらいやだなあ、とおもったが、それも杞憂…

目黒の小散歩(11月1日)

家人と子どもたち二人は、親戚の法事で横浜へ出かける。 わたしは、夜から仕事なので欠席だが、とりあえず、朝8時台の電車で、4人いっしょに川越を出る。 電車のなか、家人はすわり、息子(Nao、29歳)と娘(Rei、26歳)とわたしは、つり革をもって3人並んだ…

山田洋次監督『男はつらいよ 寅次郎紙風船』(1981年)

旅先で知り合った若い娘や、昔のテキ屋仲間の未亡人と寅次郎が繰り広げる騒動を描くシリーズ二十八作目。 (「goo映画」解説から) 寅さんは、テキ屋の兄弟分(小沢昭一 )が病いにかかったため、見舞いにいく。そこで、兄弟分から、おもいがけないことを頼…

松林宗恵監督『世界大戦争』(1961年)

米ソの対立が激しくなり、核戦争の恐怖が現実味を帯びているころに公開された。つくりは、東宝の特撮SF映画で、硬いものではないが、テーマは架空のものとはおもえなかった。 12歳のぼくは、もし第三次世界大戦が起こり、核戦争になったら、という子どもな…

タイシホさんの個展閉会パーティを兼ねた「ビートルズ探険隊」のオフ会

日曜日はいつも夜から仕事に出ているが、今週は「ビートルズ探険隊のオフ会」へ出るため、土曜日に仕事をして、日曜日を休みに変更した。 ★ 「探険隊」の最近の情報もお聞きしたかったので、管理人のringo星さんと、少し早めに会う。上野で軽く飲んだ*1。 開…

西川美和の読んだ<志賀直哉>〜『名作はいつもアイマイ』から

結論からいうと、ちょっとガッカリの<志賀直哉「痴情」レビュー>でした。 「小説の神様」で近寄りがたい存在かとおもっていたけど、志賀直哉が書いた、中年の浮気小説を読んだら、志賀直哉も普通の男だとわかった・・・なんて、中学生の、できの悪い読書感…

東雅夫著『江戸東京 怪談文学散歩』

[rakuten:book:13022709:image] 詳しく書く時間がないけど、おもしろかった。 想像力を刺激する怪談話は、むかしから好きで、最近あまり読まなくなったのを後悔しはじめている。ここにあげられている作品でも、これから読んでみようとおもう。 取り上げてい…

前田哲監督『ブタがいた教室』(2008年)

「卒業までの1年間でブタを飼育し、最後にはみんなで食べたいと思います」 ショッキングな提案に、クラスは当惑する・・・新任の若い先生(妻夫木聡)は、それで「命の勉強をします」と、いうのだが・・・ ブタを食べることが残酷だ、ということを訴えたい、…

川越祭り(10月17日・18日)

10月17日は、午前から目黒の寺回りをしようとおもっていた。それが、午前中ぐずぐず極貧荘にいるうちに時間ばかり経ってしまった。 予定変更して、赤羽の立呑み「いこい」へ行く。午後1時過ぎについて、1時間ほど飲む。ちょっと酔って、赤羽から埼京線で、1…