1960年代、わたしたちの世代に、ブラック・ミュージックの魅力を教えてくれたのは、最初はビートルズやローリング・ストーンズだった。 それまでの日本の音楽にはないし、ロカビリーともちがうし・・・ちょっとヤクザな歌い方や演奏が（そう、おもえた）、心…

ビートルズは、1964年アメリカへ渡り、第1回目に出演した「エド・サリバン・ショー」で、この「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」を歌った。 日本では、約1年後の1965年に放映され、わたしはそれを見ている。 日本の放映はたしか2月28日。翌日が高校受験の日だっ…

「自分は見かけの悪い家だが、見かけのいい安普請の家よりいいとおもう」 この言葉は、志賀直哉の自分の小説への自己評価だ。「小説の神様」ともいわれた直哉だが、けしって器用な作家ではなかった。 康子（さだこ）夫人は、尾崎一雄に＜尾崎さん、志賀は小…

静かな爆弾 (中公文庫)作者: 吉田修一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/03/23メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 吉田修一の小説の魅力のひとつは、作品の舞台が具体的・明確に描かれること。 『静かな爆弾』では、外…

ビートルズの「いい娘じゃないか」は、デビュー前の1961年、ドイツで録音されました。 トニー・シェルダンのバック・バンドとしてビートルズが採用され、「マイ・ボニー」などといっしょに録音されたものですが、唯一「いい娘じゃないか」だけを、トニー・シ…

さよなら渓谷 (新潮文庫)作者: 吉田修一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/11/01メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (37件) を見る 野球部の集団暴行が起こった。 ・・・それから15年後、その加害者のひとりと、被害者の女性が、あるひっ…

「山田洋次監督が選んだ100本の映画」の放送を、録画してみる。 この日（1月21日）は、朝、ワーナーマイカル板橋で『月光ノ仮面』を見て、がっかりしていたので、口直しというか、映画の素晴らしさを、この古い作品から教えられた。 これが昭和14年の作品？…

何か新しい映画を見ようと、とおもってネットを検索し、新鮮な表現との出会いを期待して映画館へいったら、失望した。 おもわせぶりは、おもわせぶりのままで、見終わって愕然とした。ラスト・シーンの悪ふざけは、悪質としかいいようがない。 映画館で見る…

2012年はじめての映画館は、池袋の新文芸座。 マルコ・ベロッキオ監督『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』（2009年）と、ジュリオ・マンフレドニア監督『人生、ここにあり！』（2008年）の、イタリア映画2本立て。 『愛の勝利を ムッソリーを愛した女』は…

荷風と歩く東京いまむかし作者: 前之園明良出版社/メーカー: 有楽出版社発売日: 2011/10/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 著者の読み方は、「まえのその・あきよし」。 永井荷風は、江戸の風景の名残を求めて、変貌する東京を歩いたけれど、わ…

ジギー・スターダストアーティスト: デヴィッド・ボウイ出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック発売日: 2009/07/01メディア: CD購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (54件) を見る 朝ラジオでデヴィッド・ボウイの「ロックンロールの自殺者」…

ラスベガス万才 [DVD]出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント発売日: 2001/08/10メディア: DVD クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る 最近、クルマでよく聴いているのが、エルヴィス・プレスリー。声の豊かさ、優れた…

銀幕の銀座 - 懐かしの風景とスターたち (中公新書)作者: 川本三郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/10/25メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る 戦前から戦中、戦後まで、これほどおおくの映画で銀座が描かれているとは、びっくりです…

荷風流 東京ひとり歩き (楽学ブックス―文学歴史)作者: 近藤富枝出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング発売日: 2008/10/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る 東京の下町を散歩していると、いつかその先達…

もうマーティン・スコセッシ監督『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』をごらんになりましたでしょうか。 ことしは、2月早々にリンゴ・スターのニュー・アルバム『リンゴ2012』と、続いてポール・マッカートニーのスタンダード…