
- 作者: 今日マチ子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: コミック
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戦争を題材にしたマンガ作品。沖縄の「ひめゆり部隊」を下敷きにしているようだ。
愛国心に燃える少女たちが、看護隊として戦争に駆り出され、戦争の現実と向かい合う。次々防空壕へ運びこまれる瀕死の兵隊たちを看護する少女たち。
兵隊が、毎日死んでいく。ひっきりなしに爆撃が続く。少女たちも、死んでいく。
死が日常になる。
現代に近い少女たちの感性で、戦争を見つめようとしている。作者が、戦争を実感できない若い読者に、戦争を伝えようとしているせいか、悲惨だけれど、暗くはない。
読後感には、やわらかな配慮がある。
いまや戦争があったことも忘れかけている若い世代が、戦争について考えるきっかけとしては、このくらいがいいのかもしれない。
★
最近中沢啓治作『はだしのゲン』に、松江市教育委員会が閲覧制限をかけたというニュースにびっくりした。
さらに気になるのは、菅官房長官は、この処置を「妥当だ」といい、下村文部大臣も「問題ない」と発言している。
自民党が、あるひとつの方向に走り出そうとしているのが、透けて見える。