かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「トットてれび」と『窓際のトットちゃん』



満島ひかり主演の「トットてれび」がおもしろくて、毎週たのしみに見てる。土曜日に予定があって家にいないときは、あらかじめ録画してもらっておいて、家に帰ると真っ先に見てしまう。もともと満島ひかりは好きな女優のひとりだったけれど、このトットちゃんで、また新しい魅力を発見したような気がしている。


それにしても、黒柳徹子を演じて、顔も似ているけど、ちょっと高い声の早口のしゃべり方がそっくり。満島ひかりを、キャスティングしたひとも、すごい。



トットてれび」を見ていたら、むかし読んだ(はず)の黒柳徹子のベスト・セラー『窓際のトットちゃん』を読みたくなった。Amazonに注文したら、とても文字の読みやすい新装版の文庫版『窓際のトットちゃん』が届いた。



問題児トットちゃん(黒柳徹子のこと)が、小学校を退学(小学校を退学というのもすごい!)。次に行ったところが、全校50人の小さな私立「トモエ学園」。この学校が型破りで、トットちゃんは、毎日学校へいくのがたのしくなる。


ひとりひとりの個性を大切にする校長先生。小学生のトットちゃんは、むずかしいことはわからないままこの校長先生に惹かれていく。ひとつひとつのエピソードが、いまからみても新鮮。どんなものかは、ぜひ『窓際のトットちゃん』を読んでみてください。


トットちゃんは、好奇心いっぱいで型破りの子。校長先生は、当惑することがあっても、いちいち叱らない。「君は本当はいい子なんだよ」と、そのたびにトットちゃんを元気づける。


「トモエ学園」があったら、知り合いの子どもたちや孫たちをここへ入れたい、とおもったけれど、戦争中の空襲で全焼して、いまはない。トットちゃんは、いいときに「トモエ学園」と出会い、自由な性格を損なうことなく、のびのびと成長した。それにしても、こんな自由・個性を尊重した学校が戦時下にあった、というのにはびっくり。


いまの安倍政権の教育方針は、このトモエ学園の校長先生が理想とした教育と逆行している。ゆとりよりも詰め込み、個性よりも愛国、が上位に位置する。だから、この本の「教育姿勢」に、よけい共感するのかもしれない。