かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

黒木瞳監督『嫌な女』を見る(7月2日)



7月2日土曜日、「イオン板橋」で、黒木瞳監督の『嫌な女』を見る。今日はめずらしく小団体で、姉(妻の姉)、Yumiちゃん(妻の友人)、妻、わたしの4人で見る。


先に原作、桂望実『嫌な女』を読んでいたので、どんなふうに映画化されるのかたのしみだった。原作は淡々としている。年月の経過も長くて、最後はふたりとも60〜70歳くらいの年齢になっているけれど、そういう老け役までやるのか?



先日、『ふきげんな過去』で小泉今日子二階堂ふみという個性派女優の共演を見たばかりだけれど、今回は吉田羊と木村佳乃とこちらもそれに負けない強いキャラクターの対決。ただわたし自身は、前のふたりほど、吉田羊も木村佳乃映画女優としてなじみが薄い。吉田羊は、ツンツンしているような一本調子の印象が強いけれど、実際はどうなのだろう。木村佳乃は、さらにハッキリした記憶がない。



映画は全体的には、おもしろかった。優等生だが地味な徹子(吉田羊)と、派手好きで詐欺まがいなこともやってのける夏子(木村佳乃)の対比は、類型的に描かれているけれど、コミカルでおもしろい。吉田羊は、いつものツンツンした冷たい表情で登場してくるが、弁護士として人と人と接するなかで、笑顔と優しさをみせるようになる。ある余命が長くない病人に依頼され、ビデオー・レターで別れた妻への遺書を録音しながら、病人の妻への切実な想いに、こらえられず涙をあふれさせてしまうシーンは、こちらまでもらい泣きしてしまった。


原作にはない派手な仕掛けもあって、これが賛否わかれそうな気もするけれど、わたしはおもしろかった。木村佳乃の夏子は、最初からど派手で1オクターブ高く、わたしには演技過剰に感じられた。もう少し演技を抑制して、それでも夏子のはすっぱな感じが出せたらいいのに、とおもうけれど、言うが易しで、実際にはむずかしい要求かもしれない。


ふたりの女優対決の視点からみると、わたしは吉田羊の時折みせる優しい笑顔や、涙でくしゃくしゃの泣き顔に魅了されてしまった。


『嫌な女』予告篇↓
https://www.youtube.com/watch?v=vmmAz6wwxg0



映画が終わって、甥のKenちゃんが車で迎えにきてくれたので、5人で、環七沿いにある、小竹向原の「木曽路」へ、すき焼きのランチを食べにいく。