3月23日㈯。
「テアトル新宿」へ、井上淳一監督『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』を見にいく。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。
(「映画.com」より)
続編といっても、ストーリーが連続しているわけではない。
ただ強烈な姿勢で映画に立ち向かう若松孝二という主人公が2作とも共通している。1作目を見ていなくても楽しめる。
「芸術は爆発だ!」(岡本太郎)みたいな激しい情熱を映画に注ぐ若松孝二監督を熱演。井浦新、どんな役をやってもいいなあ。
それと、若き日の井上淳一(この映画の監督自身)を杉田雷麟(すぎた・らいる)が演じている。
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といっても、この映画を見るまで、若松孝二監督のことをほとんど知らなかった。覚えているのは、『水のないプール』(1982年公開。主演:内田裕也)という作品だけ。
それも、今回若松孝二監督のことをネットで調べて、あの映画はそうだったのか、と気がついた。
クロロホルムで眠らした女を暴行する連続凶悪事件…実際にあった題材をヒントにした映画だという。
生きる方向を見失った孤独な男を内田裕也が演じている。内田裕也の内面から滲み出るようなリアルな演技が怖かった。
映画賞(「毎日?」「キネ旬?」)で、内田裕也は主演男優賞をとっている。
授賞式のインタビューで、受賞の感想を聞かれ、「映画も、おれのロックンロールだ」と答えている。
「ひえっー、かっこいいなあ」とおもった。内田裕也は音楽も映画も人生もロックンロールで生きている…正真正銘の本物ではないか。
それと予告編を見て思い出した。わたしはこの映画に出てくる中村れい子という女優の厚い唇に呆然と魅せられてしまったのだ。