- 2006年アメリカ映画
- 出演:ジョージ・クルーニー、デヴィッド・ストラザーン
時代は、マッカーシー議員による「赤狩り」が吹き荒れるアメリカ1953年。マスコミへの言論弾圧に真っ向から闘ったニュース・キャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)と彼のスタッフたちの勇気ある実話を映画化したもの。
批判的な発言すると、共産主義者として、あらいざらい過去が調査され、あることないこと捏造され、地位や職を奪われる……結局真実を報道するべきはずのマスコミも、沈黙をよぎなくされます。もし、エド・マローと彼のスタッフたちの勇気がなければ、アメリカの良心は?
1950年代の映画そのままの白黒映像で、話の核心に一気にはいります。マッカーシー議員は、実写フィルムが使われているので、マッカーシー議員とエド・マローが議論を交わするとき、ドキュメンタリー・フィルムを見ているような錯覚が起こります。
「言論の自由が守られなくなったらどうする?」
映画はただ1点、ここに集中。説得力がありますよ。わかりやすいテーマを実に堂々と、照れることなく、ジョージ・クルーニーは、作品を通して、直球で観客に投げかけています。それだけ、きっと本気なんです、今のアメリカへの危機感が。
音楽がすばらしいです。ジャズのことを知らないので、説明はできないのですが、1950年代の雰囲気を濃密にかもしだしながら、しかもあまりにもストレートなテーマに潤いをもたらせていて。もっと音楽を聴いていたくて、エンディングのクレジットが続いても、席を立つ気になりませんでした。