かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ジョージ・クルーニー監督『グッドナイト&グッドラック』


グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]



時代は、マッカーシー議員による「赤狩り」が吹き荒れるアメリカ1953年。マスコミへの言論弾圧に真っ向から闘ったニュース・キャスター、エド・マローデヴィッド・ストラザーン)と彼のスタッフたちの勇気ある実話を映画化したもの。

批判的な発言すると、共産主義者として、あらいざらい過去が調査され、あることないこと捏造され、地位や職を奪われる……結局真実を報道するべきはずのマスコミも、沈黙をよぎなくされます。もし、エド・マローと彼のスタッフたちの勇気がなければ、アメリカの良心は?

1950年代の映画そのままの白黒映像で、話の核心に一気にはいります。マッカーシー議員は、実写フィルムが使われているので、マッカーシー議員とエド・マローが議論を交わするとき、ドキュメンタリー・フィルムを見ているような錯覚が起こります。


言論の自由が守られなくなったらどうする?」


映画はただ1点、ここに集中。説得力がありますよ。わかりやすいテーマを実に堂々と、照れることなく、ジョージ・クルーニーは、作品を通して、直球で観客に投げかけています。それだけ、きっと本気なんです、今のアメリカへの危機感が。

音楽がすばらしいです。ジャズのことを知らないので、説明はできないのですが、1950年代の雰囲気を濃密にかもしだしながら、しかもあまりにもストレートなテーマに潤いをもたらせていて。もっと音楽を聴いていたくて、エンディングのクレジットが続いても、席を立つ気になりませんでした。