かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

フェルナンド・メイレレス監督『ナイロビの蜂』


ナイロビの蜂 [DVD]

映画の内容は、かなり複雑なので「allcinema online」から借用します。

冒険小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名ベストセラーを、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督で映画化した感動のミステリー・サスペンス。アフリカの地を舞台に、政治に無関心なガーデニング好きの英国外交官が、慈善活動に熱心だった妻の死をきっかけに、初めて彼女の活動に目を向け、やがては危険を顧みず陰謀渦巻く事件の真相に迫っていくさまをスリリングに描く。主演は「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズ。また、共演のレイチェル・ワイズは本作の演技でアカデミー助演女優賞を獲得した。


大きな製薬会社が、試作品をアフリカの貧しい人たちに無料で提供して、副作用を調査する……これは、いわば人体実験ですね。先進国にとって、彼らは結局捨石でしかないのか。


目を覆いたくなるような、アフリカの悲惨な現実のなかにはいって、彼らに手をさしべてようとする女性テッサ(レイチェル・ワイズ)がいいですし、全編よくできた恋愛映画でもあります。

しかしながら、狭い土地に屋根と屋根が隙間なく連なり、半ば野宿で、半裸。食べ物もなく、十分な治療も受けられることのないアフリカの現実を映像で見ているのは、つらいものです。彼らには、救いがない。このことが現実そのものであるなら、中心のストーリーである恋愛はどうでもいいのかもしれない、とおもってしまいます。でも、それでは映画として完結しない。いや、いい恋愛映画なんです。でも、背景が重過ぎるので、楽しむのがむずかしい。