かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

松本仁志監督『大日本人』(2007年)


大日本人 通常盤 [DVD]

ダウンタウン松本人志が、企画・初監督・主演を務めて撮り上げた長編映画。映画配給会社の松竹とタッグを組み、映画製作に乗り出した吉本興業の第1作目でもある本作は、松本自身の考える“ヒーロー像”を描いた異色作。脚本は松本の盟友で人気放送作家高須光聖との共同執筆。出演は竹内力UA神木隆之介、後輩芸人でもある板尾創路。あくまでテレビの延長線上と位置づけ、面白さを追求するコンセプトで撮られた松本ワールドに注目。


(「Yoo!映画」より)


予備知識なく見ましたけど、おもしろかったです。先の予測のできない作品なんですね。


浮浪者のような男(松本仁志)が、テレビか何かのインタビューを受けながら、ボソボソと質問に答えているはじまりで、一体どんな展開になるのかとおもっていると、いきなりその男が、体に電流を走らせて巨大化し、<大日本人>になる。防衛庁の秘密兵器だといいます。その<大日本人>の姿・形がなんとも気持ち悪くてすばらしい!(笑)


都会に得体の知らない<獣>(どれもグロテスクだ!)が出現すると、その<大日本人>が、正義のために出動して、退治する、という怪獣映画のヒーローものの定型を踏襲しているようでもあるのですけど、なぜかこのヒーローは国民的支持を受けていないようで、頑張って<獣>を退治しても、厳しい世論にさらされ、ますます孤独に陥っていくばかり……。


あまりここにテーマを詮議しても仕方がないようで、次々繰り出される意外な映像と、<大日本人>と珍獣の異様な闘いを、そのまま楽しめばいいような気がします。


【了】