かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

相米慎二監督『台風クラブ』(1985年)


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jinkan_mizuhoさんの相米慎二監督への熱心な興味に、こちらも影響を受けて、少しずつ手にはいるものから見ています。この『台風クラブ』も公開当時見ているはずなのに、ほとんど内容を忘れていました。


それにしても、ぼくは公開当時何を見ていたのだろう? これってすごい傑作ではないですか。この内容をほとんど忘れていたなんて!


10代の少年・少女の、等身大の姿を描くことのうまい相米慎二監督が、ここで描くのは、壊れやすい彼らの<狂気寸前>の姿。


台風の一夜、学校に封じ込められた中学生たちの行動はあやしく、激しい風雨のなかで、男の生徒が何かに憑かれたように、女子生徒に襲いかかるシーンなどは、ホラー映画顔負けの迫力でした。


俳優では、あどけなく、壊れやすい少女を、工藤夕貴が的確に演じています。


それから、いま脇役として、存在感のある演技をみせている三浦友和が、その妙技をここですでに見せていることに気づきました。頼りになるようでならない担任の教師役が、じつにいいですね。