かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

長澤雅彦監督『夜のピクニック』(2006年)


1000人の生徒が一緒に、24時間夜を徹して80キロを歩く伝統行事「歩行祭」。今回で最後の歩行祭となる甲田貴子は、密かな想いを抱いて参加した。それは、一度も話したことのないクラスメイト、西脇融に話しかけるということ。そんな簡単なことが出来ない…。親友にも言えない、特別な秘密が二人にはあった。今年で最後だから、特別な日だから、賭けにでるのは今日しかない。そして、最後の歩行祭が始まる…。


(「goo映画」の解説より)


監督が『青空のゆくえ』の長澤雅彦で、主演が『ルート225』の多部未華子となれば、つまらない青春映画ではありえない、そんな期待をもって見ましたら、これがやっぱりよかったです。


事件らしい事件もなく、高校生たちは、はしゃいだり、寡黙になったりしながら、80キロの長い距離を、昼夜を徹して歩くだけ。そこから生まれる連帯感のようなものが主題。


淡々とした作品でした。しかし、それがいいのですね。見終わったあとに爽やかな感動が残ります。


ここでも『青空のゆくえ』と同じく、10代の若い女優が生き生きと等身大の女子高生を演じています。なかでも、内向的な心の動きを小さな表情で演じることのできる多部未華子が印象的。ますます長澤雅彦作品を見逃せなくなりました。