かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

綿矢りさ『夢を与える』

夢を与える
2003年、綿矢りさが「蹴りたい背中」で芥川賞をとったとき、19歳だった。最年少の芥川賞作家が誕生した、ということで話題になった。


『夢を与える』は、それから4年後の2007年に出版されている。現時点で、芥川賞受賞後に発表された唯一の作品らしい。



主人公の夕子が、子役からCMに出演して、成長するとともに、人気アイドルになっていくが、インターネットに恋人とのsex映像が流出。人気の凋落が予感されるところで、終わる。


少女のたどった心の成長と変化を描いた、というようなものでもないし、スターの私生活の内幕を暴いた、というわけでも、もちろんない。


テーマ性は希薄で、どういう動機からこういう物語を書くことになったのだろう、とおもいながら、読み終えた。